長崎線肥前竜王駅、重大インシデント
22日午後0時20分頃、JR長崎本線肥前竜王駅(佐賀県杵島郡白石町大字坂田)で、停車中の博多行き上り特急列車『かもめ20号』と同じ線路に長崎行き下り特急列車『かもめ19号』が誤って進入し緊急停止する事故が発生した。
JR九州によると、『かもめ19号』は直前の午後0時11分ごろ、走行中に列車床下の異常音を感知したため肥前竜王駅のすぐ手前の単線区間で停止、安全を確認し運行を再開したところ、『かもめ20号』が停車していた下り線に進んだため、運転士が手動で非常ブレーキをかけ『かもめ20号』の手前93mで停車した。
肥前竜王駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅で互いのホームは跨線橋で連絡していて、上り線を通過線とする一線スルー配線となっていて、駅舎は下り線側に有る。
列車の交換ががない場合には普通列車を上下とも下り線側に入線させ、乗降客が跨線橋を渡らずに済むようにしていて、通過列車はスルー配線となっている上り線を通過している。
『かもめ19号』と『かもめ20号』は本来は一つ長崎側の肥前鹿島駅で列車交換の予定だったが、『かもめ19号』が異常音確認のため緊急停止したため肥前竜王駅の下り線で待避していた。
原因は『かもめ19号』の運転士と運転指令員との連絡ミスではないかと思われる。
『かもめ19号』の停止した場所がビミョーで、運転士からは目視で下り場内信号機を越えた様に見えたが、実際は駅構内には入っていなくて機外停止となっていたと思われる。
運転指令は『かもめ19号』を下り場内信号機まで移動させて一旦停止させ、ポイントを上り線側に切り替えて運転再開させるつもりだったが、すでに場内信号機を越えていると思った運転士は運転再開と誤認した。
ポイントの開通していた下り線には『かもめ20号』が停止しているため下り場内信号機は停止現示となっていたはずだが、ATSの地上子は場内信号機の30m程手前に取り付けられるため通過していて動作しなかった。
緊急停止した場所が、運転士が目視では場内信号機を越えたと認識する場所で、実際には下り場内信号機手前で、ATSの車上子が場内信号機の直下地上子を過ぎていたという実にビミョーな場所だったということである。
この件は重大インシデントと言うことで運輸安全委員会の調査が入るのでいずれ詳しい状況は発表される事になる。
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