JR九州、久大線の花月川橋梁流出事故

   2017/08/15

 大分県日田市で7月5日夜、九州豪雨で降った猛烈な雨で大分県と福岡県を結ぶ久大線の花月川に架かる花月川橋梁が流出する被害が出ている。
 JR九州によると復旧には相当な時間がかかるとしている。
 花月川橋梁ってこれですね。
  
 出典:googleストリートビュー

 場所としては光岡駅と日田駅の間となる。
 
 出典:国土地理院

 画像を見ると橋脚が根元から折れて倒壊、橋桁と線路が流出している。

 出典:国土地理院
 
でも、これによく似た画像を見たことがある。
 2018年3月末で廃止が決まっているJR西日本の三江線の鹿賀駅ー因原駅間の井原川橋梁が、2013年8月豪雨で橋脚が倒壊した災害に似ている。

 画像:広ミヨ氏

 花月川橋梁も井原川橋梁も、橋脚が折れてしまっている。
 どちらを見てもコンクリートの橋脚の中にまともに鉄筋が入っているようには見えない。
 久大線の夜明駅 – 日田駅間が開通したのは1934年(昭和9年)3月3日となっている。
 一方、三江線の石見川越駅 – 石見川本駅間が開通したのは1934年(昭和9年)11月8日となっていて、該当の区間の開通時期は同じ時期となっている。
 この頃の鉄道省の橋脚の仕様はこの様になっていたのかもしれないが、この時期の前後に開通した鉄道省の路線は結構多い。
 ということは、今のJRの路線の中にもこの様に強度に問題がある、脆弱な橋梁が多数存在する可能性がある。
 豪雨や地震による橋梁の流出、倒壊で、長期の運休や廃止などないように祈るばかりである。

 7/13追記
 JR九州の情報によると、久大線と日田彦山線の被害状況はかなり深刻な状況である。
 流出した花月川橋梁のほかに、日田彦山線の第二彦山川橋梁の橋脚傾斜、第三彦山川橋梁の変状、釈迦岳トンネルの土砂流入等、広範囲に被害が及んでいる模様である。
 特に橋梁の流出などは、河川の護岸の改修が必要な場合が多く、橋梁だけ修復といかない場合が多く、復旧まで時間がかかる場合が多い。
 久大線と日田彦山線の全面復旧には数年かかるとの話もある。
 
 7月5日からの大雨による日田彦山線・久大本線の被災状況について

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コメント一覧

  1. 朝倉 肇 より:

    私は土木技術者ですが、TVで橋脚の倒壊の画面を見て疑問に思っていました。
    今回は、予期していなかった(?)出水、流木が原因であることは間違いありませんが、耐震上もこのような橋が放置されていたとは信じがたいことです。
    多分、早速、今回の事例を踏まえ、他の古い橋についても耐震および出水、流木対策が行なわれるものと思いますが。

  2. Nimo5@jp より:

    井原川橋梁の損傷についてですが、あれは橋脚本体が損壊したのではなく、濁川(写真では右手が上流)が江の川に合流する部分が大きく左に蛇行しており、出水期における土堤保護のためにコンクリート板で養生がなされておりました。

    補強工事は三江線(鉄橋)開通より遙かにあとのことで、損壊した橋脚は元は河床に建立されていたものでしたが、土堤の嵩上げと合流部の土堤保護が施工された際に、折損した橋脚の基部が右岸側の養生材の中に埋まってしまいました。

    2013年の出水時に、養生施工したコンクリート板が大量の流水圧に耐えられず、上流側より崩壊し、下流部へと伝播していく中で橋脚に無理な捻れ力が掛かったため折損したというのが実情で、鉄道事業者側からすれば完全な『貰い事故』といわざるを得ない状況でした。

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