小倉正行センセの「サラダ油」の怖い話

 

 フリーライターの小倉正行センセが『知ると食べられなくなる「サラダ油」の怖い話…製造過程で“化学薬品漬け』という、アホ記事を書いている。

 この原油にはさまざまな不純物が含まれるため、それを除去します。
 まず、リン脂質を主成分とするガム質(澱)を除去するためにリン酸を使います。
 さらに油の中にある遊離脂肪酸を除去するために、苛性ソーダを添加し遠心分離します。
 脱色には活性白土も使われます。

 食用油脂の製造方法は次の通り
 ・抽出行程
  圧縮法:オリーブ、菜種、ゴマ。紅花など油脂分の多い原料
      原料にに圧力をかけて物理的に抽出する。
  抽出法:大豆など油脂分の少ない原料
      食品添加物グレードのヘキサンを溶媒にして油脂を抽出する。
      なお、圧縮法では原料残油が10%~20%があるため、圧縮後にヘキサンで抽出する。
      ヘキサンの沸点は69℃であり、蒸溜で完全に除去される。
     
 ・脱ガム行程
  温水を加えて攪拌し、リン脂質を水和して除去する。
  その際に助剤としてリン酸やシュウ酸を使用する場合もある。
  脱ガム行程の副産物がレシチン。

 ・脱遊離脂肪酸行程
  水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて、遊離脂肪酸を石鹸にして遠心分離法で除去。

 ・水洗行程
  水を加えて攪拌、脱ガム、脱遊離脂肪酸行程で加えた助剤や分離しきれなかった石鹸など、水溶性物質の除去をする。

 ・脱色工程
  活性白土を加えて、クロロフィル、カロチノイド等の色素を吸着させる。
  活性白土はモンモリロン石を主成分とする酸性白土を硫酸や塩酸で熱処理して得られた粘土の一種で、活性炭の様な多孔性物質である。
  鉱物であり人への安全性に問題は無い。

 ・濾過工程
  活性白土の除去を行い。 珪藻土などの濾過助剤を使用する場合もある。

 ・ウィンタリング工程(脱ロウ工程)
  油脂に含まれる融点の低い脂肪酸を除去し、低温下でも濁りが起きない様にする。
  とくにサラダ油の場合、JASで「0℃の温度で5.5時間清澄であること」という規定があるため、サラダ油の製造では必須の工程。
  油脂を低温にして、低温で固まる脂肪酸(ロウ分)を遠心分離で除去する。

 ・脱臭工程
  真空・高温の状態で水蒸気を吹き込み、揮発性の有臭成分を除去する。
  この工程の副産物がトコフェロール(ビタミンE)

 ・仕上げ濾過工程
  最終的な濾過。


 図の出典元:一般社団法人 日本植物油協会

 さらに、最終製品工程では酸化防止剤としてクエン酸を添加し、業務用の油には消泡剤としてシリコーンを添加します。

 食用油に酸化防止剤としてクエン酸を添加など聞いた事が無いですけど。
 食用油に使える酸化防止剤は
 グアヤク脂
 クエン酸三エチル(クエン酸ではない)
 ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
 ブチルヒドロキシアニソール (BHA)
 没食子酸プロピル
 である。
 BHAは通常使用量の数万倍でラットの前胃に発がん性が報告されているが、一方で低容量で抗がん性が報告されるなど2面性がある。
 なお、酸化防止剤は食品表示では用途名併記が必要であり、使用している場合物質名の表示が必要になるが、市販品、業務共、酸化防止剤としてビタミンE以外が表示されているのを見たことがない。
 業務様で消泡剤としてシリコーンを添加するのは、大型フライヤー使用時に発砲により油が溢れるの防止する目的だが、油脂の加熱時に油脂と空気を遮断し、油脂の酸化防止作用もあるとされる。
 フライ油の劣化防止剤 

 このような製造方法に疑問を持ち、化学薬品も使わずエキストラバージンオイルのように圧搾手法で食用油を製造している中小メーカーも日本に存在しています。

 圧搾法で作られる油脂はオリーブオイルや焙煎ゴマ油の様に風味を楽しむ油脂や、米油、エゴマ油など、癖のない油脂が殆ど。
 大豆、菜種、トウモロコシなど癖の強い油脂は脱臭などは必須である。

 私たちは、カネミ油症事件という食品公害事件を経験しており、今なお被害に苦しんでいる人がおります。
 この事件は1968年、カネミ倉庫がつくった食用油に製造工程で使われていたPCBが混入して引き起こされた事件です。

 カネミ油症事件は、脱臭工程で加熱する際に熱交換器から熱媒体のポリ塩化ビフェニール(PCB)が漏洩し、製品に混入したのが原因であった。
 現在、脱臭工程では熱交換器を使わず水蒸気を吹き込む方法が採られていて、カネミ油症の様な事故は起きない。

 この脱臭工程では揮発性の融解物質も除去される。
 カネミ油症に似た事故で『千葉ニッコー事件』というのがあった。
 昭和48年に発生した、千葉ニッコー株式会社製造の食用油に、熱媒体のビフェニール(ポリ塩化ビフェニールではない)の混入事件である。
 3月15日に熱媒体のタンクの液面が異常に下がっていることに気づき、脱臭工程の熱交換器に穴があいて熱媒体が漏れていることに気づいたが隠匿していた。
 下請け企業の社員の内部告発により千葉県がこの件を把握したのは4月9日であったとされ、千葉県知事は4月11日に営業禁止の命令を発した。
 漏出した熱媒体の量は約四十五キログラムと推定され、全国で製品回収となった。
 昭和四十八年四月十七日開会 第071回国会参議院社会労働委員会  
 千葉ニッコー油ジフェニール事件をめぐって  
 ところが回収した製品や、マヨネーズ等二次加工品からもビフェニールが検出されなかった。
 これは、脱臭工程の途中で漏洩が起きたものの、その後の脱臭工程で漏洩したビフェニールが除去されたものとされる。
 食用油脂の安全性について  

 この事件の教訓に基づいて、化学薬品を使わず圧搾手法で食用油をつくる道を選択したメーカーも現に存在しています。
 このようなメーカーがつくった食用油の残りカスである油粕は肥料となり、農作物の発育が良いということで農家から大人気となっています。

 カネミ油症事件と圧搾法の関係はこじつけとしか思えないが・・・・・。
 圧搾法で絞った油粕は多くの油脂を含んでいて、追加で抽出法で油脂の抽出がされる。
 元々圧搾法で作られる油脂は少なく、圧搾法の後に抽出法で油脂の抽出をした後にヘキサンを分離したものが油粕として流通している。

 また、大豆の油粕はタンパク質の含有量約50%が多く、脱脂大豆として食品等広く使われている。

 脱脂大豆は“ダイズカス”に非

 小倉センセが触れている物質は全て加工助剤とされるもので、最終製品には中和、分解、除去により残留してはならない物質であり、安全性に問題は無く、国内で流通している食用油は殆ど精製油である。
 個人的には怖い話とは思わないし、後は気の持ち様としか言えないが・・・・・。

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