南清貴センセの『コンビニおでんは超危険』
前回の郡司和夫センセの『コンビニおでんは超危険』に続き、今回は南清貴センセの『コンビニおでんは超危険』ですぅ~
ビジネスジャーナルのサイトに、『コンビニおでんは超危険!がんや記憶力低下の恐れ 危ない添加物を非表示で大量使用!』とういう記事が載っていた。
たんぱく加水分解物には、さまざまな問題があり、専門家も多々指摘しています。私たちが最も気にかけなければいけないのは、塩酸分解によるたんぱく加水分解物の製造工程で、クロロプロパノールという発がん性物質が生成されてしまうことです。その危険性は多くの国で知られており、欧米では摂取上限値を設けている国も多くあります。
日本の農林水産省は「食品中のクロロプロパノール類に関する情報」の中で次のように言及しています。
「クロロプロパノール類は、意図しないにも関わらず食品の製造工程で副産物として生成してしまう化学物質のひとつです。クロロプロパノール類を長期間にわたって毎日大量に摂り続けた場合には、健康に悪影響が発生してしまう可能性があるため、食品に高濃度に含まれるのは好ましくありません。そのため、食品に含まれるクロロプロパノール類を低減する取組が国内外で進められています」
また一方で「平均的な食生活においては、健康リスクは無視できるほど小さい」とも述べています。果たして、本当にそうなのでしょうか。このたんぱく加水分解物は、加工食品の中にはかなりの頻度で使われています。筆者の見解としては、一般的な食生活で摂取するたんぱく加水分解物の量は、かなり多いと思います。
確かに農林水産省のサイトで、『食品中のクロロプロパノール類に関する情報』に上記の記載はある。
同じく農林水産省のサイトの『クロロプロパノール類とは』によると
クロロプロパノール類とは、プロパノール(炭素を3つもつ直鎖アルコール)に塩素が結合した物質の総称で、4つの種類があります。その中で人への健康影響が懸念されているのは、3-クロロプロパン-1,2-ジオール(3-MCPD)と1,3-ジクロロ-2-プロパノール(1,3-DCP)の2種類です。
国内で使用されるアミノ酸液は、その流通形態から見ると、次のの二つのグループに分けられる。
・販売用アミノ酸液:加工食品等の原材料として、食品事業者への販売を目的として大規模に製造されるもの。
・自製アミノ酸液:しょうゆ製造事業者が主としてしょうゆの原材料として自社工場で製造するもの。
食品の材料として流通しているのは販売用アミノ酸液と言う事になり、生産量は販売用アミノ酸液が圧倒的に多い。
たん白加水分解物(アミノ酸液)で問題になるクロロプロパノールは3-MCPDと1,3-DCPの2種類という事になる。
主に醤油などの調味料の原材料として用いられている酸加水分解植物性たん白に3-MCPDが含まれていることが明らかとなったが、アルカリ処理という工程を経て調製したアミノ酸液やそれを用いたしょうゆでは3-MCPD濃度が低いことが分かってきた。
アミノ酸液中に含まれるクロロプロパノール類がどの程度かというと
アミノ酸液中の3-MCPD濃度
平成16年度の調査だが、これによると販売用と自家製のアミノ酸液に含まれる3-MCPDの量は、平均値で179倍ほど自家製の方が多い。
自製アミノ酸液でアルカリ処理された物は、3-MCPDの含有量が少なくなっていて、アルカリ処理が3-MCPDの低減に有効な事が判る。
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は2001年6月の第57回会合で、3-MCPD及び1,3-DCPのリスク評価を行っている。
食品中のクロロプロパノール類に関する『JECFAのリスク評価の概要』によると
第57回会合における3-MCPDのPMTDIの設定の概要
3-MCPDについては、発がん性は認めないが、ラット(ネズミの一種)を使った実験で腎臓に影響(腎臓尿細管の過形成)を認めた。他にも複数の臓器に良性腫瘍の形成を認めたが、腎臓への影響をより低用量で認めたことから、これを指標として、PTDIを2μg/kg体重/日とすべきである。
5年後の2006年6月に開催された第67回会合で、3-MCPD及び1,3-DCPのリスク評価を再度行い、3-MCPDについては新しい知見がないことから、第57回に設定したPMTDI 2 μg/kg 体重/日を維持した。
食品製造に用いられる販売用アミノ酸液をどれほど摂取すると3-MCPDの摂取量が、暫定最大1日耐容摂取量に相当す2μgになるかというと、調査のサンプルの中で一番3-MCPDの多かった0.14mg/kgのアミノ酸液だけを摂取したというワーストケースで計算すると・・・
0.14mg=140μg 1kg中140μg含まれる事になる。
1g中の3-MCPD:140÷1000=0.14μg
3-MCPDを2μg含むアミノ酸液の量:2÷0.14≒14.29g
暫定最大1日耐容摂取量は2 μg/kg 体重/日なので、体重が50kgの人の場合約715gアミノ酸液を摂取すると暫定最大1日耐容摂取量の上限に達する事になる。
3-MCPDの平均値の0.047mg/kgを含みアミノ酸液だけ摂取したとすると、2130g摂取しないと暫定最大1日耐容摂取量の上限に達しない。
自製アミノ酸液を使用した醤油の3-MCPD量だが、どのくらい含まれるかは、『調味料中の3-MCPD含有実態調査の結果について8平成23年度)』に記載されている。
自製アミノ酸液に含まれる3-MCPDが多いため、自製アミノ酸液を使用した製品としての醤油に含まれる3-MCPDも多いが、製造工程の改善などで減少傾向にはあるのが判る。
アミノ酸液使用の醤油からどれだけ3-MCPD摂取しているかだが、調味料中の3-MCPD含有実態調査の結果について(平成23年度)に記載されている。
日本人の平均摂取量と生産量から3-MCPDの曝露量を算出している。
3-MCPD濃度が中央値(0.087 mg/kg)のしょうゆを摂取し続ける場合を想定すると、①及び②により推定された3-MCPD摂取量は、JECFAが設定した暫定耐容摂取量である2 μg/kg 体重/日の1.2 %及び1.8 %に相当し、耐容摂取量よりも十分小さい。
このため、中央値付近の濃度の3-MCPDを含むしょうゆを毎日平均的な量摂食し続けたとしても、3-MCPDにより健康に悪影響が生じる可能性は小さいと考えられる。
また、3-MCPD濃度が最大値(3.4 mg/kg)のしょうゆだけを摂取し続けるというワーストケースシナリオを想定したとしても、①及び②により推定された3-MCPD摂取量は、JECFAが設定した暫耐容摂取量の48 %及び70 %に相当すると試算され、平成21年度の平均消費量から推定した試算値(75 %)よりも低くなっているが、3-MCPD濃度が高いしょうゆについては、引き続き低減が望まれる。
平成23年度の調査でのアミノ酸液使用醤油の3-MCPDの平均値は0.45mg/kgとなっていて、このワーストケースの摂取量になる可能性は非常に低い。
クロロプロパノール類のうち1,3-ジクロロ-2-プロパノール(1,3-DCP)に関しては、JECFAのリスク評価の概要に、次の様な記述がある。
1,3-DCPについては、発がん性を重大な健康影響と結論づけました。一般的な集団の1,3-DCPの平均摂取量を0.051 μg/kg体重/日、高摂取者(子供を含む。)の推定摂取量を0.136 μg/kg体重/日として、これらの摂取量を、動物試験から得られた発がんの発症を10%だけ増加させる投与量の95%信頼下限値(これをBMDLと言います。)である3.3 mg/kg体重/日と比較したところ、暴露マージン(MOE=推定摂取量/BMDL)は、平均的な摂取量の人で約65,000、高摂取量の人で約24,000となりました。これらの暴露マージンの値が十分に大きいことから、JECFAでは、1,3-DCPの推定摂取量では人の健康への懸念は低いと結論づけました。
実際にどの程度の1,3-DCPが含まれるかというと
3-MCPD濃度と比較して低い値になっている。
いずれにしろ、現在の摂取量での健康への影響は少ないといえる。
>『筆者の見解としては、一般的な食生活で摂取するたんぱく加水分解物の量は、かなり多いと思います。』
個人的な見解はともかく、農林水産省はの「食品中のクロロプロパノール類に関する情報」を引き合いに出しておいて、肝心なデータ等に一切触れないのはど~いう事?????かな?
加えて、おでんの汁に「酵母エキス」というものが使われているケースも散見されます。この酵母エキスがまた大問題なのですが、これについては本連載の過去記事において記述しているので、それを引用いたします。
「そして、ここにも重大な問題があります。この製造工程で出る不純物が、イースト症候群(イーストコネクション、または慢性カンジダ過敏症)というアレルギー症状を起こす原因物質になってしまうのです。イースト症候群になると、腸内菌叢の乱れによるビタミンB群の減少で皮膚や粘膜が荒れたり、かゆみが出たりします。また、慢性の下痢が続き、イライラしたり怒りっぽくなるともいわれています。記憶力・集中力の低下なども招き、疲れやすく、慢性的なだるさが続くともいわれています」
このように、できれば摂りたくない物質です。しかし、コンビニのおでんの汁の中には、たっぷりとこの酵母エキスが溶け込んでいるのです。
酵母エキスとイースト症候群(イーストコネクション、または慢性カンジダ過敏症)云々にかんしては、以前に当ブログで『ホントに「プリン体0・糖質0」発泡酒は超危険成分だらけなの??』でも触れたが、酵母エキスがカンジダ症に関与していると言う信頼できる情報を見かけた事は無い。
確かにネット上では、酵母エキスがカンジダ症の原因になるというコピペサイトは一杯有るけどね。
知人の消化器内科医に聞いたところ『パン酵母やビール酵母等、食品製造に使われる酵母や酵母製品がカンジダ症に関与するとは思えないし、酵母や酵母製品がカンジダ症に関与するというまともな論文等見た事も無い。』という回答であり、その様な論文があれば是非読んでみたいとの事であった。
ちなみに、カンジダ症の原因になりやすいのは抗生剤の使用がきっかけ。
カンジダはカビやキノコの仲間の真菌だが、抗生剤は真菌には効果が無く、抗生剤の使用でカンジダと拮抗する細菌類が減り、カンジダがはびこる原因となる。
グーグルで『カンジダ 抗生物質』で検索すると腐るほどヒットする。
さらに問題を複雑にしているのが具材です。すべてのコンビニが、おでんの具材を外注しているわけですが、その具材に使われている食品添加物は表示されていません。
これは「キャリーオーバー」と呼ばれているもので、コンビニがおでんをつくる時に、その原材料として仕入れたさつま揚げや、ちくわ、はんぺんなどに使われている食品添加物は表示しなくてよい、と法律で定められているのです。表示すべき食品添加物は、あくまでもコンビニがおでんをつくる時に使った物のみなのです。消費者からすると納得のいかない措置に思われますが、企業側には大変都合の良い定めなのです。
つまり、どのような食品添加物が、どれだけ使われていても消費者にはわからないのです。さらにいうと、複数の食品添加物がおでんの中で溶け合っている状態です。
南清貴センセ、キャリーオーバーと、店頭でのバラ売り商品の添加物表示とを完璧に混同している。
コンビニおでんに添加物表示が無いのは、店頭でバラ売りをする食品については、食品衛生法上の表示の義務がないから。(オレンジなどの防かび剤や、甘味料のサッカリン及びサッカリンナトリウムについては、バラ売りであっても売り場に表示義務有り)
一方、キャリーオーバーは食品の原材料の製造又は加工の過程で使用され、その食品の製造過程では使用されないもので、最終食品に効果を発揮することができる量より明らかに少ない場合は、表示が免除されるため。
コンビニおでんの添加物表示が無いのはキャリーオーバーで無く、ばら売り商品扱いのため表示義務が無いため。
これは、飲み屋やレストラン等、外食産業でも同じ事。
フードプロデューサーを名乗る以上それくらい知らないと恥ずかしいよ。
表示があろうが無かろうが、食品の製造は食品衛生法の規定に従う必要があり、それから外れれば違法行為。
また、それぞれの食品に使われる添加物は何を使うか大体決まっていて、余計な物は入れないですよ。その分コストかかるもの。
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