女性セブンのデタラメ記事3、スーパーマーケット食品
女性セブン3月5日号に『スーパーのお総菜・お弁当は食べてはいけない』という煽り記事が載っている。
タイトルが『唐揚げ弁当の肉は売れ残りを加工』『親子丼は雑菌の温床』『焼きたてパンの生地は数ヶ月前に作っている』等々タイトルでも煽りまくっている。
食品表示アドバイザーの垣田達哉さんがしてきする。
フライとか天ぷらの様に客が取り分けて購入する品物には原材料表示は無い。私は常々、食品を購入するときには、表示を確認することを習慣にすべきと訴えてきました。ところが、スーパーの総菜にはそもそも表示自体がないものが多い。いまの法律では、販売店のバックヤードで調理されたものは、原材料や原産地などの表示をしなくていいことになっているのです」
たしかに、客がトングで袋に取るパンやコロッケはもちろんのこと、簡易な透明パックに入った春巻きやシューマイなどに原材料や産地の表示は見当たらない。
スーパーの弁当や総菜は大きく分けて3種類有る。
1.食品メーカーから納入されたもの。
2.スーパーのセントラルキッチンから納入されたもの。
3.スーバーのバックヤードで加工される、いわゆるインストア加工、インストア製造と言われるもの。
このなかで、インストア製造されたもので、あらかじめ包装されていない食品は表示義務が無いが、包装された食品は表示義務がある。
実際の商品の表示は次の様になっていて、首都圏の大手、中堅の主なスーパーのインストア製造の弁当、総菜類の表示はほぼ同じであった。
食品を製造し、又は加工した場所で販売する場合は、原材料名、内容量又は固形量及び内容総量、栄養成分の量及び熱量、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所、原産国名、原料原産地名等についての表示を行う必要はないが食品衛生法由来の表示事項については、省略できない。
ここで言う、食品衛生法由来の表示事項は次の通りで、L-フェニルアラニン化合物に関する事が追加となっている。
・名称
・アレルゲン及びL-フェニルアラニン化合物を含む旨
・遺伝子組換え食品
・食品添加物
・消費期限または賞味期限
・保存方法
・製造所又は加工所
これ以外の表示は任意表示になる。
あらかじめ包装されたインストア製造の弁当。総菜類はこれらの表示は義務づけられているが、ばら売り、量り売りの場合は省略できる。
早わかり食品表示ガイド
食品衛生法における表示について 簡易な透明パックに入った春巻きやシューマイなどに原材料や産地の表示は見当たらない。
加工食品でも産地表示が必要な食品は決まっていて、インストア製造だけで無く、そもそも春巻き、シューマイ等の総菜は産地表示の対象外である。
早わかり食品表示ガイド
早わかり食品表示ガイド ただし、簡易な透明パック入りの総菜にも、任意表示で原材料は表示されているのがほとんど。
「スーパーの方が、”やりたい放題”の余地がある分、危険だとも言えます。やはり、どんなものを使っているか明記されていない食品は不安が残ります。 使っている油や添加物がどんなものかも、わからないわけですから」(垣田さん)インストア製造でも、ばら売り、量り売り以外の包装済み食品は添加物表示は必要である。
本来不要の原材料、栄養も任意で表示されている場合がほとんど。
食品表示アドバイザーと名乗りながらいい加減なコメントをしている。
「総菜の消費期限は、それぞれのスーパーの現場が、経験や慣例をもとに”適当に”決めているのが現実。「次の商品ができるまでは持たせよう」など、彼らの思いのままなのです。(河岸さん)スーパーなどの総菜などのインストア製造は、マニュアル通りにしてますけどね。
某スーパーのマニュアルを見たことがあるが、食品の取り扱いから、表示方法、消費期限の設定等、事細かく書かれていて、現場が適当に決めているわけでは無く、マニュアル通りの事をしているだけ。
内部の監査もあり、現場の思いのままというわけにはいかない。
と言っても、現場で適当なことをしてる実例もあるが。
ローソン/埼玉で「まちかど厨房」消費期限改ざん
食品偽装がバレる大きな原因は内部告発が多い。
こんなwebサイトもある。
食品表示法違反被疑情報提供フォーム
身内だけで経営している、個人経営のような零細スーパーならともかく、規模の大きい店舗ほど、現場で思いのままいい加減な事をしていたら、バレやすくなるわけである。
食品の「使い回し」も多くのスーパーで行われている。食品流通に詳しければ、個人経営の小規模なスーパー以外あり得ないことがわかっていると思う。
「たとえば魚なら、最初は生のまま丸ごと売る。 売れ残れば裁いてサク(柵)に、さらに刺身として陳列。それでも残ったら、揚げてフライトして並べ、最終的にはフライ弁当にする。こういったことはわりとどんなスパーパーっでもやってますよ。製造日は『最終加工日』のことだから。加工の度にあらためて設定できる。どんなに古い食材を使っていても法律上は問題が無いから。明るみに出ず、取り締まることもできないのです。(河岸さん)
現在のサプライチェーンマネジメントは進化していて、大きな欠品や売れ残りの発生しにくい状況となっている。
似たような話として、古くから言われてることだが、生の豚肉の売れ残りを豚カツにして売り。売れ残りの豚カツは豚カツ弁当やカツ煮にして売ると言う類いもの。
スーパーでは毎日、同じ総菜や弁当を売り続けているが、売れ残りを材料にできるほど、生鮮食品の売れ残りが出るわけでは無い。
総菜屋弁当に使われる食材は、最初から加工食品に向けた食材である。
豚カツもフライもコロッケもあらかじめ加工された状態で納品され、スーパーのバックヤードでは油で揚げるだけ。
FOODS FRIDGE
酢豚も、酢豚用カット肉、酢豚用ソースで出来上がり。
酢豚 カレー 用 カット済
酢豚の具
酢豚ソース
大手スーパーなら特注もできる。
売れ残りの様な供給の不安定な食材を使ったり、衣をまぶしたり、材料のカットなど狭いバックヤードでやってられないし、人手も欠けられない。
河岸宏和センセ、以前は真面目な食品衛生関係の著書『ビジュアル図解 食品工場の品質管理(Do books)』など出版していて、随分参考にしたものだが、すっかりトンデモ系の人になったようである。
トンデモ系の郡司和夫センセの番。
「サラダに使われる野菜は基本的にハウス栽培された外国産野菜と思った方がいい。主に中国産が多いですが、中国産野菜は化学肥料の窒素過多で、亜硝酸窒素が多く含まれている可能性が高い。これらの野菜を食べ続け、糖尿病を引き起こしhたとの研究報告があります。トンデモ系郡司和夫センセらしく、トンデモコメントである。
>これらの野菜を食べ続け、糖尿病を引き起こしたとの研究報告があります。
ソースはこちらかな?
野菜が糖尿病をひきおこす!?
色々探したが野菜(硝酸塩)が糖尿病を起こすというマトモな論文は見当たらなかった。
むしろ硝酸塩、亜硝酸塩の不足が高LDLこれる手ロール、高血糖など代謝症候群を起こすという研究もある。
硝酸塩/亜硝酸塩の不足は代謝症候群,血管不全,心臓突然死を引き起こす
サラダは生鮮食品か加工食品のどちらかだが、単一または同種の材料が混ざっていても味付けがされていないものは生鮮食品、ドレッシングやマヨネーズ等で味付けされたものは加工食品となり、異種混合であれば味付けがされていなくても加工食品となる。
ポテトサラダやマカロニサラダは加工食品となる。
サラダに関してはインストア製造されることは先ず無い。
売られている野菜サラダはほとんどが食品メーカーで作られていて、生鮮食品、又は加工食品としての表示がされている。
原材料の一番多い原材料を表示する必要があり、原材料に占める重量の割合が50%以上を占めるものの原産地が2か所以上混合している場合は重量の割合の高いものから順に表示し、3か所以上ある場合は、3か所目以下を「その他」と表示する事も出来る。
>主に中国産が多いですが、中国産野菜は化学肥料の窒素過多で、亜硝酸窒素が多く含まれている可能性が高い。
中国産野菜なので危険と言いたいのだろうが、サラダに中国産野菜が使われることは少ない。
中国産野菜は多く輸入されているが、中国から輸入される野菜はサラダ向きの野菜は少ない。
主要品目別輸入数量・単価・シェア(数量)の動向
リスクがあるのはおかずだけはない。 河岸さんは、ご飯にこそ危険が潜むという。だから食品冷却装置があるわけで、食品工場に設置される大型から、スーパーのバックヤードでも使える小型まで有る訳である。
「温かいままのご飯をおかずと一緒に保存すると菌が増殖しやすい。特に野菜はどんなに洗っても微量の細菌が付着しているため危険度が高まる。 野菜を強いた上に肉があって、温かいご飯と同じ容器に常温で陳列しているような弁当は最悪の場合、細菌により死に至る事すらあるのです。 コンビニの弁当類は、こういった事態を防ぐため、ご飯を詰める際に急速冷却します。15℃~60℃は金が繁殖しやすいので、その危険温度帯に入らないよう厳密に温度管理するのが原則です。」
フード冷却器
また、弁当類に入れる食材は加熱処理や殺菌処理された食材を使うのが原則で、野菜や果物は次亜塩素酸水で洗浄されたカット野菜などを使うのが普通。
これは、常温で販売、持ち運びされる駅弁などと同じ。
微酸性電解水とは
厚生労働省の2019年食中毒発生事例を見ても、販売店による食中毒はほとんどが鮮魚の寄生虫、アニサキスによるもので、細菌、ウィルスが原因の食中毒は無く、弁当、総菜類による食中毒も無かった。
スーパーの弁当が危険という根拠は無い。
2019年食中毒発生事例
食中毒の原因施設としては飲食店が一番多く、飲食店の原因物質としてはカンピロバクター、サルモネラ菌、ノロウィルスなど、細菌、ウィルスによる物が大部分である。
それと比べると、スーパーの総菜、弁当類の衛生が管理されているのがわかる。
またまた、郡司和夫センセが、又々いい加減な事を言っている。
「確かにその場で焼いていて美味しそうに見えるのですが、実はパン生地自体は数ヶ月前に作った冷凍物であることが多く、店舗ではオーブンで焼き上げているだけ、というスーパーがほとんど。 日持ちさせるために添加物を入れざるを得ないし、町のベーカリーとは別物と考えた方がいい。 ただし、イトーヨーカドーなどはゼロから記事を作って焼いているとうたっていますから、決して全てのスーパーが古い生地を使っているわでではない。 しかしその割合はかなり多いと言えるでしょう。」(郡司さん)>決して全てのスーパーが古い生地を使っているわでではない。 しかしその割合はかなり多いと言えるでしょう。
そもそも、そんな根拠を有るのだろうか。
業務様冷凍パン生地は広く使われている。
敷島製パン業務用冷凍パン生地
そもそもこの商品は、業務用冷凍食品ということになる。
>実はパン生地自体は数ヶ月前に作った冷凍物であることが多く~
敷島製パンのサイトによると賞味期限は『製品により様々ですが、生産工場での製造後50~180日間です。』となっていて、生きている酵母が入っているため普通の冷凍食品よりは期間が短い。
>日持ちさせるために添加物を入れざるを得ないし、町のベーカリーとは別物と考えた方がいい。
冷凍であるから保存料の添加は不要ですけどね。
郡司和夫センセらしく、トンデモコメントである。
敷島製パン、ロール製品(食パン)レシピ
この製品の原材料は次の通り
小麦粉(国内製造)
バター入りマーガリン
砂糖
生クリーム
パン酵母、
チーズ
はちみつ
還元水あめ
食塩
「これ以降が添加物」
香料
ビタミンC
酵素
酸化止剤(ビタミンE)
着色料(カロチン)、
(一部に小麦・乳成分を含む)
パンとしての原材料はごく普通であるり、郡司センセが言うような日持ちをさせるための添加物は入ってないけど。
その中で目を引くのは酵素である。
これはトランスグルタミナーゼなど、小麦改質に使われる酵素類で、以前使われていた臭素酸塩などの代替品で、最終のパン製品では加熱により失活するため表示されないが、冷凍パン生地では酵素が失活していないため表示されている。
>町のベーカリーとは別物と考えた方がいい。
町のベーカリーも冷凍生地を使っている店は多いようで、冷凍パン生地の市場は拡大していうということである。
“冷凍パン”の市場伸長 背景にパン店の人手不足、インバウンド拡大も追い風
他にもこの記事には突っ込みどころは一杯だが、長すぎるのでこのあたりで終わるが、トンデモ系の人々のコメントを元にするから、トンデモ記事になってしまうのは必然となってしまう。
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