はぁ? キャノーラ油は殺虫剤!! なの???

 

キャノーラ油は殺虫剤と言っているサイトを見つけた。
http://ameblo.jp/for-women-safe/entry-11575793594.html

年間殺虫油の成分96%がキャノーラ油
<殺虫油の注意書き>
人間と家畜に危険です
肌や服に触れるのを避けてください、
製品の取り扱い後、飲食前、ガムや喫煙の前には水で十分洗ってください。
肌や服についてしまった場合の応急処置、このキャノーラ製品の応急措置には、
汚染された服を全部脱ぎ、15~20分間たくさんの水で肌を洗い流し、シャワーを浴びてください。
そして、中毒事故管理センターに電話してください。
もしくは、医者に治療アドバイスの電話をしてください。

12ドルの殺虫油、5ドルの食用キャノーラ油。
5ドルの食用キャノーラ油を同じように虫に散布したら同じように効くんです。
私たちはテストしましたが、本当によく効きました。
キャノーラ油はとても有効な殺虫剤なんです。

ネイチュリア家庭用殺虫制御剤
・家のなかや外に使用できる
・アリ・ゴキブリ・クモ・コオロギ、その他の昆虫を殺します。
原料は大豆油です。
多くの油が遺伝子組み換えだからです。
トウモロコシ油はほとんどが遺伝子組み換えトウモロコシ油。
大豆油は遺伝子組み換え大豆油。
今日のアメリカでは健康危機があり、人々は慢性的な退行性疾患で苦しんでいます。
なぜなら、恐ろしい殺虫剤を食べているからです。

元ネタはアメリカの疑似科学ともトンデモと言われているNatural Newsの様ですね。
https://en.wikipedia.org/wiki/NaturalNews
Natural Newsを読んでも何も信用するな!と書いているサイトもある。
Don’t believe anything you read at Natural News
さてさて、キャノーラ油が恐ろしい殺虫剤かどうかだが・・・・
通常の殺虫剤は昆虫に毒性の有る物質を使い、昆虫に食べさせたり接触することで殺虫をしているわけで、いわば化学的な殺虫剤という事になる。
ネタ元で問題にしているのはこちら
http://www.lowes.com/pd_7176-1321-9604131_0__?productId=3043306
これは食用油を原料にした油脂乳剤で、油脂に溶剤や界面活性剤が配合されていて水と混ぜると、界面活性剤の作用で油脂がコロイド粒子となり水と混ざる。
脊椎動口や鼻から空気を吸い込み肺で呼吸するが、昆虫類は脇腹や胸に複数有る気門から空気を取り込み呼吸している。
http://www.k-wave.net/lovekabu/htm/youchyu/sub_kansatsu.htm
http://micadina.web.fc2.com/mado/komado_gaibukeitai.html
昆虫に油脂のコロイド溶液を掛けるとコロイド粒子が昆虫の気門を塞ぐため、呼吸が出来なくなり窒息死するわけで、いわば物理的な殺虫剤という事になる。
ゴキブリに中性洗剤を掛けたり、アブラムシに牛乳を塗ったり噴霧すると死ぬのも同様の理由で、中性洗剤や牛乳の毒性で死んでいるわけではない。
これは昆虫の気門を塞ぐ物質なら同様で、その意味ならNaturalNewsの言っている通り、オーガニックオリーブオイルもハチミツも恐ろしい殺虫剤ということになる。
日本石鹸洗剤工業会
結局XXXがアブナイ~~という毎度おなじみのトンデモ系で、最終的には遺伝子組み換え食品が危険だ~~と言うところに落ち着くわけだ。

日本にも食用油を原料にしたサフオイル乳剤という殺虫剤がある。
特徴として
・物理的に作用する剤であり、抵抗性が発達する恐れが殆どないので連続散布が可能です。
・既存の薬剤に対して抵抗性の発達したハダニ類およびコナジラミ類にも効果を発揮します。
・殺卵活性も認められ、ハダニ類およびコナジラミ類の全発育ステージに対して有効です。
・天敵や訪花昆虫に対する影響が小さく、IPM(総合的病害虫管理)に適しています。
・有効成分は食用の植物油なので安全性が高く、収穫前日まで散布可能です。
環境省、中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第21回)資料7
と言う事で、殺虫剤としては安全性の高い殺虫剤という事になる。

食用油を使った殺虫剤は新しいが同様の薬剤で機械の潤滑油を使った殺虫剤は昔から有る。
マシン油乳剤、機械油乳剤というのがそれ。
クミアイ 機械油乳剤95というのがそれで、同等の殺虫剤はいっぱいある。
毒性は普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)ということで、毒物劇物取締法などの適用は受けないためホームセンターなどでも売っている。
ただし鉱物油を含み水生生物には有害なため、河川、養殖池などに飛散、流入しないよう注意する必要はあるが、安全な殺虫剤であるが・・・・

庭でよく散布される恐ろしい二つの農薬・・・・マシン油乳剤と石灰硫黄合剤!』というブログを見つけた。

農業で果樹園等で使用する分には特に問題も無かろう。自分で自分の庭に少量散布するのもまず問題は無かろう。
しかし、庭屋が動力噴霧器を使用して大量に散布する場合の個人の庭や公園や街路樹は違う。
その場合はある意味とても恐ろしい農薬に変貌するのである。
そういうことで私はこの二つの農薬を弊社の果樹園以外で使用したことは無い。
もちろんこれからもまず無いだろう。
なぜなら余りにもリスクが大きいからだ。
場合によっては訴訟沙汰になりかねないほどの被害をお客様に与えかねない。

など書いてはあるが、具体的な内容は全く書いていない。
マシン油乳剤は毒物を使っていないから殺虫剤としては安全な部類だが、石灰硫黄合剤は少々危険ではある。
五硫化カルシウムを主な成分とした、異臭のする強アルカリ性の液体で、皮膚に付着すると皮膚を冒し、濃度によるが眼に入ると失明の恐れもあるし、酸と混ざると非常に有害な硫化水素が発生する。
ただ、一番リスクの大きいのは散布する人間で、散布中に石灰硫黄合剤の霧をかぶったりするとかぶれなどの原因にはなるが、散布してしまえば影響は少ない。
普通に扱えば訴訟沙汰になる様な被害が出るとは思えないんだが・・・・。
タイトルはおどろおどろしいが、具体的な内容は無く多くは植木の剪定に関する非難となっている。
よう判りませぬ。

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コメント一覧

  1. ももや より:

    こんばんは。ご指摘のブログを読みました。
    石灰硫黄合剤は高濃度で撒くことが多く、家や車の塗装、金属部分を傷める恐れがあります。
    マシン油はそこまでの影響はありませんが、やはり乾くと痕が残って擦ってもなかなか落ちなかったりします。住宅地で撒くと風向き次第で容易に車や壁に飛んでトラブルの元となるので、それを危惧しているのでしょうね。

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