ホントに良いの?シリカ水????????

 

 最近インターネット広告や衛星テレビのCMで、シリカ水なるものを見かけるようになった。
 元大学教授がケイ素が、髪の毛やコラーゲンにとって、いかに必要かを唱えている。

 シリカは二酸化ケイ素(SiO2)や二酸化ケイ素で構成された物質の総称のことである。
 元素のケイ素(別名シリコン)は、原子番号14の元素であり、元素記号はSi、原子量は28.1で、地球地殻の質量の27.72%を占め、多くは二酸化ケイ素の形で存在する。
 高純度のケイ素は半導体として、電子部品に広く使われている。

 ヒトの生体内には28.5ppm程度含まれるとされ、約1g程度含まれるとされる。
 農産物ミネラルと人の健康
    ケイ素は土壌などに広く分布するため、飲料水や食物への混入や、食物、飲料水にも広く含まれるため、動物実験でケイ素不足の状態を作りにくかったため、生体に比較的多く含まれる元素であったが、必須元素であるのか不明であった。
 1972年にSchwarsがラットで、Carlisleがヒヨコでケイ素不足により成育が劣るという研究をして、動物にはケイ素が必須元素であることが明らかになった。
  ミネラルの栄養学的評価
 ケイ素は人の体内の微量ミネラルとして、骨形成に働くとされるが、現時点では必要量が明確でなく、食事摂取基準は設定されていない。
 ミネラルの栄養学的評価によると、日本人のケイ素の1日の必要量は10mgで、食品や飲料水から1日の摂取量は41mgとなっている。
 別の資料によると1日の摂取量は
 西側諸国 20~50mg
 インド  143~204mg
 中国   139mg
 となっている。
 SILICON AND BONE HEALTH 
 
 シリカ水徹底比較ガイドなるサイトがある。
 シリカ水徹底比較ガイド 
   このサイトによると次の様な特徴があるとか・・・・
  ・肌にハリ、髪にコシ
  ・血流を良くし認知症予防
  ・骨や関節を強化
  ・生活習慣病の予防
  ・便秘の改善
  ・精神病の予防
 などが挙げられ、良いことだらけである。
 そもそもその様な効果がシリカ水にあるかというとだが・・・

 真面なサイトとして、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報によると次の通り。
 ケイ素 
 ケイ素は人の体内の微量ミネラルとして、骨形成に働くが、現時点では必要量が明確でなく、食事摂取基準は設定されていない。
俗に、「老化を予防する」「美容に良い」などと言われているが、骨粗鬆症に対して有効性が示唆されているものの、その他の有効性は信頼できる十分な情報が見当たらない。

 骨形成に働くが、その必要量は不明。
 骨粗鬆症に対しては有効性は示唆されているが、その他の有効性は不明、というのが現実であろう。

 シリカ水徹底比較ガイドに掲載されているシリカ水のシリカ含有量は53~97mg/Lとなっている。
 日本の河川のケイ酸塩の平均含有率は20mg/Lとされていて、いわゆるシリカ水と比べれば少ない。
 添加物評価書 ケイ酸カルシウム 17ページ

 ケイ酸塩の量が多ければ良いかというと、どうもそうでもなさそう。
 鹿児島県の水道水はケイ酸塩が他地域との比較で含有量が多い。
 水道水に含まれるケイ酸塩の含有量は、 関東では平均11.5mg/L、本州内の他の県では6~11mg/Lであるのに対し、鹿児島県内では地域差があるものの、最も高い霧島市で平均78.8mg/L、鹿児島市で62.3mg/Lとされる。
 鹿児島県で多発するイヌのシリカ結石についての報告
 日本では10ヶ月の乳児のシリカ結石が報告され、ミルクの希釈に使われた湧き水に含まれたケイ酸塩(172mg/L)が原因ではないかと推察されている。
  添加物評価書 ケイ酸カルシウム 15ページ

 経口摂取され吸収されたケイ素の体内動態は、摂取後2時間で血清中の濃度がピークとなり、その後尿として排出され、3時間以内に約65%が、6時間以内に約90%が排出される。
 農産物ミネラルと人の健康 
 
図表:農産物ミネラルと人の健康
 結果として、高濃度のシリカ水を摂取しても必要以上のケイ素は尿として排出されることになる。
 場合により排出されたケイ素が原因で結石が出来るというリスクもあり得る。
 わざわざ高価なシリカ水を飲む意味は無さそう。
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