ビジネスジャーナルの馬鹿記事 メロンパン

   2016/09/15

 ビジネスジャーナルに『メロンパンは人体に超危険で国が規制!栄養なく危険成分まみれ、糖尿病等や内臓障害の恐れ』というおバカな記事が載っている。

 しかし、アルミニウムは「体内に蓄積されると、肝臓や腎臓の障害を引き起こす可能性があります」(Aさん)という。
  実際、厚生労働省は2013年に「食品中のアルミニウムに関する情報」という研究結果を発表している。
 それによると、ラットに多量のアルミニウムを投与した実験において「腎臓や膀胱への影響や握力の低下」などの結果が得られたという。
 そして、厚労省がアルミニウムの規制対象食品として名指ししているのが、ほかでもないメロンパンなのである。
 「多くのパンや菓子パンは『パン酵母』を使用していて、パン生地を膨張させるために膨張剤を使わないものがほとんどです。
 ところが、メロンパンのクッキー生地に使用されるベーキングパウダー(膨張剤)にはミョウバン(硫酸アルミニウム)が含まれているため、厚労省がスポンジケーキやドーナツ、蒸しパンなどとともに、メロンパンを対象食品にしたのです」(同)
 厚労省がアルミニウムの規制に乗り出したのは、2011~12年に子供を対象にした調査結果がきっかけだ。
 それによると、1~6歳の小児のうち5%が、世界保健機関(WHO)などの専門機関が設定した「1週間に体重1キログラムあたりで2ミリグラム」という暫定許容量を上回っていたという。

 そもそもメロンパンを厚生労働省が規制対象にしたというのはデタラメ。
 経緯として、2006年のJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議9)の第67回会議で、従来は暫定耐容週間摂取量(PTWI)が7mg/kg/体重/週であったが、PTWI以下でも生殖系及び神経発達に影響を与える可能性があるとの事で、PTWIが1mg/kg 体重/週に引き下げられた。
 その後、2011年の第74回会議で再評価が行われ、PTWIが7mg/kg/体重/週に変更された。
 そして食品安全委員会の2012年度のマーケットバスケット調査が行われ、1~6歳で約5%がPTWI比で100%を越え、約2.5%がPTWI比で123%を越え、約1%がPTWI比で151%の摂取量との結果が出た。
 平成23~24年度マーケットバス方式によるアルミニウムの摂取量調査の結果について
 なお、PTWIを超える量を摂取しても直ちに健康に問題が起きるという訳では無い。

 >メロンパンのクッキー生地に使用されるベーキングパウダー(膨張剤)にはミョウバン(硫酸アルミニウム)が含まれているため~
 硫酸アルミニウムがミョウバンというのは間違いで、硫酸カリウムアルミニウム(カリミョウバン)と硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)の2種類が食品添加物として認可されている。(硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムと表記される事もある)
 食品添加物としてのミョウバンには使用量の制限は無い。
 ベーキングパウダーに関して言えば、規制対象にしたわけではなく、事業者や業界団体に硫酸アルミニウムカリウム等、アルミニウムを含有する膨脹剤について、使用量の低減や代替品の使用等を要請したという事で有る。
 硫酸アルミニウムカリウム及び硫酸アルミニウムアンモニウムを含有する膨脹剤の使用量の低減について(依頼) 
 アルミニウムの規制では無い事が、文書の表題にも(依頼)の文言が入っている事でも判る。

 おそらく厚生労働省のメロンパンの規制というのはこれの事を言っているのではないだろうか。
 食品中のアルミニウムに関する情報
 表1の『アルミニウムを含有する食品添加物の用途と対象商品』に、「膨脹剤(ベーキングパウダーなど)一部の菓子パン(メロンパンなど)」と有るのを規制としたので有ろうが、これを規制というとは何ともいやはや・・・・ 

 業界もアルミニウムの低減には動いていて、一般向けのベーキングパウダーはほとんどアルミフリーとなっている。
業務用もアルミフリーが増えている。
 愛国ベーキングパウダー
 アルミフリーのベーキングパウダーへの切り替えは難しくないし、アクリルアミドやトランス脂肪酸などもそうだったが、大手の食品メーカーは対策が進んでいる可能性は大きい。

 厚労省がメロンパンを規制対象とした理由は2つです。
 まず、共働き家庭の増加により、手間のかからない食事として、子供にメロンパンを与える機会が増えたこと。
 そして、アルミニウムの多量摂取による人体への影響が認められたことです。子供は大人にくらべて添加物の影響を受けやすいので、注意が必要なのです」

  厚生労働省が規制しなければならないほど、メロンパンを子供に食べさせるという家庭のデータを開示してもらいたい。(そんな物が有ればだけど)
 スーパーマーケットのパン売り場を見ても、メロンパンは全体からすればわずかな量しか置いていないが・・・・

 「メロンパンのなかには、果物のメロンに近づけるために食品添加物を使用したものも多くあります。
 メロンの“緑色”を表現するために、『青色1号』などの合成着色料が使用されている可能性も高いですね。

 この手の記事ではしばしば、合成着色料の使用がやり玉に挙がるが、合成着色料の使用量は非常に少ない。
  平成24年度マーケットバス方式による保存料及び着色料の摂取量調査の結果について  
 この資料によると、合成着色料で最も使用量が多いのが食用黄色4号で、摂取量は0.223mg/人/日となっていて、他は小数点二桁以下の使用量で、対ADI比も小数点二桁以下となっていて、大騒ぎする割には使用実績は少ない。
 試しに今回買い集めたメロンパンで緑色の物は着色料は、「カロチン、クチナシ」、「カロチノイド、クチナシ」となっていた。
 スーパーマーケットの菓子売り場で探してもほとんどが天然系着色料で、合成着色料を使った物は少ない。
 ちなみに実際に探してみたら、お彼岸のお供え物の落雁が合成着色料を使用していた。

 「納豆や豆腐などのたんぱく質が残りやすいものは『遺伝子組み換えでない』という表示が義務づけられているのですが、乳化剤には記載の義務がないため、遺伝子組み換え大豆を使いやすいという実情があります」(同)
 巧みな表示トリックによって、知らないうちに食品添加物や遺伝子組み換え作物にまみれたメロンパンを食べさせられているかもしれないのだ。

 遺伝子組換え食品で表示義務の有るのは33品目。
 消費量が多いが表示義務の無いのは食用油や醤油、異性化糖等で、大豆とトウモロコシも表示義務が有るが、5%以下の混入は意図しない混入と言う事で「遺伝子組換えでない」旨の表示が可能となる。
 乳化剤など微々たるもので有る。
 食品表示に関する共通Q&A(第3集:遺伝子組換え食品に関する表示について)

 さらに、栄養バランスという面でも、メロンパンは最悪の食べ物だという。
 「メロンパンひとつに含まれるエネルギー量は、約400~500キロカロリー。
 しかし、その成分は糖質と脂質ばかりなので、ビタミンとミネラルをほとんどとることができません。
 そのため、毎日のように食べていると栄養が偏るだけでなく、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病につながる危険があります」

 メロンパンに限らず、あんパンだろうがジャムパンだろうが同じ事。
 それを、何を大騒ぎしているのだろうか。
 『メロンパンは人体に超危険で国が規制!栄養なく危険成分まみれ、糖尿病等や内臓障害の恐れ』とは恐れ入った  ┐(´д`)┌
 どんな食べ物も食べすぎはNG!!

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