小薮浩二郎センセの煽り記事、輸入添加物

 

 食品メーカー顧問だとかの小薮浩二郎センセの煽り記事。
 『危険な中国産の食品添加物が毎日、私たちの体内にタップリ侵入…輸入時の無検査横行』 
 小薮センセもビジネスジャーナルの常連で、煽り記事ばかり書いておられます~。

 今や中国は添加物の生産大国です。
 中国や東南アジアから日本に大量の添加物が輸入されている実態を、ご存じでしょうか。
 いうまでもありませんが、輸入された中国産の添加物は、日本で流通する食品に使用されます。
 安価なので、食品にたっぷりと添加され毎日私たちの身体に入り込んでいます。

 これは食品に係わる人間であれば周知の事実である。
 たとえば、アスコルビン酸(ビタミンC)は、食品添加物、医薬品グレード等を含めて、世界中の生産量の90%以上は中国産であり、国内の生産高はゼロである。
 アスコルビン酸だけでなく、特許切れで容易に製造できる物質は、中国を含めてアジアで広く生産され、外国に出荷されている。
 

表より、輸入時の検査は完全でないことがわかります。例えば調味料の場合、1028回輸入されているうち、検査されたのは123回だけです。

 小薮センセが平成26年度の表を出しているが、現在最新版の平成29年度の添加物を、平成29年度輸入所品監視統計より抜粋してみた。
 
 平成29年度輸入所品監視統計  
 なおガムベースに関して、小薮センセは添加物ではないとしているが、ガムベースはチューインガム用の基剤として使用される一括名表示の添加物製剤として扱われる。
 別紙4 各一括名の定義及びその添加物の範囲   

 輸入食品のすべてを検査することは実質的に不可能であり、抜き取りのモニタリング検査となる。
 輸入食品の平均的な検査率は約10%であり、統計的に違反率の高い輸出国/食品は検査率を上げている。
 検査率の高い食品の例を挙げる。

 たとえば、ピーナッツは発がん性の高いカビ毒のアフラトキシンの汚染の確率が高い。
 そのため輸出国にかかわらず、すべての国からの輸入ピーナッツは全数検査となっている。
 この検査率は過去の検査データから統計的に算出したもので、検査数が少ないから危険というわけでは無い。
 

 また、検査の内容は、主に重金属、ヒ素の含有量の分析が中心ですが、これで国民の安全は守れるのでしょうか。
 食品の原材料の表示において、添加物の原産国は記載しなくてもよいことになっていますが、早急に見直しが必要だと考えます。

 食品添加物は国産、外国産にかかわらず食品添加物としての成分規格の適用を受ける。
 ヒ素と鉛は共通の規格であり、他は各物質の固有の試験である。
 たとえば
 L-アスコルビン酸はヒ素、鉛の他に微生物限度
 乳酸は、硫酸塩、シアン化物、鉄、揮発性脂肪酸、メタノール、硫酸呈色物、強熱残分等の試験がある。
 これらの試験項目は食品添加物公定書で規定されていて、重金属、ヒ素の含有量の分析が中心という訳では無い。
 第9版食品添加物公定書 
 食品添加物の製造業者、輸入業者はこの成分規格を遵守しなければならず、規格から外れた商品を出荷すれば食品衛生法違反となり、使用した商品は回収となる訳である。

 食品添加物を扱っていた時に、おっかなかったのは大手や中堅食品会社の独自で行っていた抜取り検査であった。
 これに引っかかると、取引停止や場合により損害賠償ということになりかねず、随分気を遣っていた。
 いずれにしろ『危険な中国産の食品添加物が毎日、私たちの体内にタップリ侵入…輸入時の無検査横行』と言うのは事実無根で、煽り記事としか言い様がない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA