台湾、北廻線脱線事故

 

 2021年4月2日現地時間午前9時28分頃に、台湾鉄道管理局(台鉄)の北廻線で、台湾花蓮県秀林郷の和仁駅~崇徳駅間で特急列車の太魯閣自強号第408列車(樹林発臺東行き)が、斜面より転落した作業車に衝突し、脱線した状態で清水隧道に突入、51人死亡、188人負傷という重大事故となった。

事故現場

 実際の事故現場は、左側の清水隧道。
 右側の新清水隧道左側の斜面より作業車が転落されたとされる。

googleストリートビューの画像。 見えている坑口が新清水隧道。 事故現場はその左側。
YouTubeからのキャプチャ。

 現在は崖崩れ防止のための工事中で、今は新清水隧道には防護壁が作られている。
 転落した作業車は、この工事車両と言われている。

転落した作業車。
転落したとされる作業車。

 現地の報道によるとgoogleマップのストリートビューに転落した作業車が写っていたとしている。
 ドアのデザインはそっくり。
 日本の報道によると、大規模な事故となったのはトンネルが狭いため被害が拡大したとしている。
 実際の画像を診てみると、日本の単線トンネルと比較して格段に広い。

車両の天井に普通に立てるくらいの余裕がある。

 画像を見ると良く判るが、車両の天井に普通に立てる位余裕が有り、側面も十分な余裕がある。
 日本の単線トンネルと比較しても十分な広さがある。
 脱線してトンネルに突入するすれば大きな被害となるのは確実。

 この現場の動画は次の通り。

 事故現場は和仁隧道を出た直後で清水隧道の直前。
 この動画をみると1時間43分30秒辺りで和仁隧道を出て、1時間43分39秒辺りで清水隧道に突入していて、その時間は僅か9秒間程度しか無い。
 現場は軽い右カーブになっていて、運転士がどの段階で線路が支障されているのに気づいたかは不明だが、急制動を掛けたとしても間に合わなかったであろう。
 和仁隧道を出た直後に線路上の作業車を見つけた時の運転士の恐怖感を、想像するだけで怖くなる。
 線路の支障を表示する特使信号機でも無い限り、列車側では避けることのできない事故であったであろう。
 事故原因は捜査当局の調査で明らかになるであろうが、無くなった方のご冥福をお祈りすると共に、負傷した方の早期の回復を願うばかりである。

 なお、この路線は複線では無く、単線平行でありどちらの方向へも列車を走らせることが出来る。
 事故の起きたのは南行線で,事故の起きた区間は北行線で単線運転を行い仮復旧したとのことである。

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