JR東日本のケーブル焼損

 

 JR東日本のケーブル発火事故(事件?)が続発している。
 8月18日の午後7時40分頃、中央線の国立~立川間の高架下に敷設してある電力ケーブルが発火、広範囲に停電が発生した。
 これにより中央線の東京~高尾間、南部線の立川~稲毛長沼、青梅線と五日市線は全線、八高線の八王子~高麗川、JR東日本が給電している西武鉄道の拝島線が運転見合わせとなった。
 この時は単なるケーブル焼損と思われていたが、この後もJR東日本のケーブル焼損が続いた。
 8月22日の午後3時40分頃、中央線の東中野~中野間で急行上り線側に敷設してあるケーブルのカバーが発火した。
 8月27日の午後1時過ぎに今度は、山手線の目黒~恵比寿間の恵比寿寄りで、2カ所のケーブルカバーが焼損した。
 報道によると、中野と恵比寿で焼損したのは通信ケーブルのカバーで、ケーブル自体の損傷は少ないとの事だった。
 電力ケーブルによく使われるCVケーブルは、ポリエチレンの絶縁層に侵入した水などの異物が、経時変化により樹木状に浸透して絶縁破壊を起こし発火する事は少なくない。(水トリー、Water Treeと言われる現象)
 通信ケーブルは扱う電圧が低くケーブルが発火する可能性は低く、恵比寿の発火では約20m離れた2カ所から発火し、にわかに放火説が取りざたされる様になった。
 恵比寿の場合は塩化ビニール製の保護管の中をケーブルが通してあり、つなぎ目の部分にポリエチレン製のカバーが取り付けてあるが、発火したのは2カ所共カバーの部分だった。
 ケーブルが発火したなら保護管の部分で発火しても不思議は無いうえ、偶然2カ所のケーブルカバーが発火する可能性は少ないと思う。



.               ケーブルは修復され防火シートを巻かれている。

 中野も恵比寿も発火箇所は道路際で、火のついたタバコの投げ捨てや放火の可能性も捨てきれない。
 ただし、昼間の人目のある場所で放火が可能かという疑問も残る。
 その後、JRが発表していなかった発火が明らかになった。
 8月16日の午後、東北線の尾久~赤羽間の線路際のケーブルがバーが焼けているのが見つかり、8月23日午後8時頃、品川区のJR東日本品川変電所で小火があり、ペットボトルやティッシュペーパーが焼けていて放火の可能性が出てきた。
 8月30日の午前2時頃、今度は山手線の目黒~恵比寿間の架線の滑車が溶けているのが見つかった。
 線路上の歩道橋のフェンスが切断されているのが見つかり、ここより可燃物を入れたペットボトルをつり下げたと思われ、明らかに放火だった。
 これまでの発火がすべて放火というわけでは無い可能性もあるし、放火としても同一人物かどうかは判らないが、十分捜査、調査を望む。

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