ハチミツってヘルシー食品???

 

 2月に生後2ヶ月の男児が、市販のジュースとハチミツを混ぜた物を離乳食として与えられ、乳児ボツリヌス症を発症し死亡する事故があった。
 報道によると、男の子の家族は都に対して「乳児に蜂蜜を与えてはいけないと知らず、体に良いと思って市販のジュースに混ぜて飲ませていた」との事。
 ウェブサイトなどを見ると、ハチミツが健康に良いという情報が氾濫している。

 情報知恵袋
 栄養豊富!蜂蜜の効能すべて教えます!
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 ハチミツに含まれる栄養成分には、良質なビタミン類やミネラル類をはじめ、アミノ酸や酵素といった栄養素も豊富に含まれている、ひじょうに栄養価の高い健康食品であります。
 ハチミツに含有されているビタミン類には、ビタミンB1・B2・B6・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビタミンC・ビタミンK・ビオチンなどがあり、ミネラル類としてはカリウムを多く含んでいる他、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・亜鉛・鉄・銅・マンガンなどが含有されています。
 出典:情報知恵袋

 実際にビタミン、ミネラル類がどれくらい含まれているかというと・・・・・
  
 ま、豊富と言うより微量と言ったほうが妥当なところであろう。
 ハチミツでビタミンやミネラルを十分に摂取というのは到底不可能であろう。

 蜂蜜の賞味期限は2年以上あります。加工された保存食でもないのにです(^^)
 たまに白く固まっていることがありますが、成分が結晶化しているだけで、傷んでいるわけではありません。
 ラベルの賞味期限を過ぎても風味が落ちる程度で、5年以上経ってもほとんど悪くならないのが蜂蜜です。
 蜂蜜には強力な殺菌作用があり、殺菌力の強さには2つ秘密があります。
 1つ目は、高濃度の糖分が細菌内部の水分を減少させ、繁殖を抑える力を持っていること。
 2つ目は、成分として含まれるグルコン酸に殺菌消毒作用があることです。
 ちなみにグルコン酸は、医療現場で傷口の消毒、医療用具の消毒にも使われている物質です。
 出典:栄養豊富!蜂蜜の効能すべて教えます!

 ハチミツが腐りにくい一番の理由は、水分活性が低いため。
 糖分濃度が高いためハチミツ中の水分の多くは糖分と結合しているため、微生物の活動に必要な自由水が少ない事による。
 純粋の自由水は100%で、純粋の水分活性は1.00となり、この数字が小さいほど微生物が活動できなくなる。
 ハチミツの水分活性は0.80~0.75位で、代表的な食品としてはハチミツの他に、ビーフジャーキー、ドライソーセージ、味噌、醤油などがある。
 出典:一般社団法人日本食品分析センター 水分活性について 

 二番目の理由としては、微量の有機酸を含んでいるため。
 ハチミツの水素イオン濃度(ph)は平均で3.7と弱酸性となっている。
 多くの食中毒を起こす細菌は、phが5.5以下だと活動できなくなり、ボツリヌス菌も4.6以下だと活動できない。
 東邦微生物研究所 微生物とpH 

 >2つ目は、成分として含まれるグルコン酸に殺菌消毒作用があることです。
 グルコン酸に殺菌作用がある訳では無く、グルコン酸と他の有機酸によるphによるもの。

 >ちなみにグルコン酸は、医療現場で傷口の消毒、医療用具の消毒にも使われている物質です。
 これは大きな間違い。
 消毒に使われるのはグルコン酸クロルヘキジン(別名クロルヘキシジングルコン酸塩)であって、グルコン酸とは全く別の物質。
 殺菌作用のあるのはクロルヘキジンで、グルコン酸塩、塩酸塩、酢酸塩として用いられる。
 ファルマジン液20%  

 三番目の理由は過酸化水素の殺菌作用による。
 ハチミツ中のブドウ糖(グルコース)がミツバチの酵素、グルコースオキシダーゼによりグルコン酸が作られるが、その際に過酸化水素も作られる。
 蜂蜜の品質に関する研究 
 過酸化水素の2.5~3.5 w/v%水溶液は、オキシドールと呼ばれ消毒薬として使用される。

 ポリフェノールが豊富で抗酸化作用がある

 ハチミツの化学によると、ハチミツの成分組成は次の通りである。
 
 これによると成分のほとんどは糖類と水分であり、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール類は含まれていても微量という事になる。

 ところで、ハチミツの糖分の内容を見ると非常に似た食品がある。
 
 果糖とブドウ糖の量が、異性化糖の果糖ブドウ糖液糖に非常に似ている。
 異性化糖はデンプンや蔗糖を酵素処理などで、糖分の内容により、果糖の多い果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖の多いブドウ糖果糖液糖、ほとんどが果糖の高果糖液糖がある。
 そのうち、果糖ブドウ糖液糖がハチミツに似ていて、現実にハチミツの偽装に果糖ブドウ糖液糖を混入させる手口が有る。

 昨今、異性化糖、特に果糖ブドウ糖液糖の過剰摂取が問題となっている。
 果糖を過剰摂取すると、中性脂肪の生成を促進し、慢性的な中性脂肪の生成は高トリグリセリド血症の原因となる。
 高果糖の影響は? 
 異性化糖の過剰摂取が問題となっているが、ハチミツも全く同じ問題を抱えている事になる。

 ヘルシー食品と言われてる蜂蜜ではあるが、その成分は果糖とブドウ糖以外は取り立てて多くない。
 砂糖などの甘味が乏しかった時代では、ハチミツは貴重な甘味で有り栄養源で有ったのは間違いない。
 食物が豊富となり、肥満などが問題になっている現代では、ハチミツと言えども過剰摂取は健康を害する事になる。
 ハチミツの風味を楽しむなど、適正な使用が重要になる。

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