郡司和夫センセもホラー作家 余りにもデタラメ
南清貴センセだけで無く、郡司和夫センセもホラー作家の様だ。
少々古い記事だが、毎度おなじみの郡司和夫センセがデタラメな記事を書いているのでそれに言及。
『コンビニ弁当が危険!プラスチック等含有の飼料で育った豚鶏肉使用の恐れ』
廃棄食品を配合飼料にリサイクルする専門工場を取材したことがある。
スーパー、コンビニ、飲食店から集められた廃棄食品が焼却炉で大量に処分されていく様は、まさに“飽食ニッポン”を象徴するものだ。
廃棄食品ではコンビニ弁当、おにぎり、惣菜類、パン類が圧倒的に多い。コンビニ食品を再利用した配合飼料の安全面での問題点は、まず飼料に発泡スチロール、プラスチックの成分が含まれることだ。
コンビニおにぎりの包装をひとつずつ分別することは、量が多すぎて不可能なのだ。
そのため、コンビニ弁当、おにぎり、サンドイッチ、カップ麺など、コンビニ廃棄食品の大半は、包装されたまま焼却処分される。
焼却処分後、熱風でプラスチック成分などを飛ばし、配合飼料の原料にしている。
しかし、完全にプラスチック、発泡スチロール成分を除去することは不可能で、リサイクルされた配合飼料にはプラスチック成分が必ず混入している。
郡司センセが何を見てきたのかは知らないが、こんなことをしたら食品残渣も黒焦げでリサイクルして飼料が出来るわけが無い。
プラスチック類は熱量が高く燃やすと高熱を発し、食材は黒焦げになってしまう。
東京23区は元々は不燃ゴミとして分別収集していたプラスチック類を、今は可燃ゴミとして扱っている。
これは焼却炉の性能が上がったという理由もあるが、分別が徹底してきたため、可燃ゴミ中の生ゴミの比率が上がり、重油等を併用しないとゴミが焼却出来なくなった事も含まれる。
ちなみに、以前は廃棄されたコンビニの弁当などは焼却処分されていた。
食品残渣のリサイクルの種類の種類としては大体だが、次の方法がある。
・炭化:生ゴミ、食品残渣に梱包材を含んだままま、加熱し炭化する。
ビニール等の梱包材の費率は約30%まで。
用途:燃料、土壌改良材、堆肥、還元剤等
・堆肥:生ゴミ、食品残渣を微生物を使い発酵させ堆肥にする。
発酵熱を使用するため、発酵のためのエネルギーは不要。
生ゴミ以外の異物除去が必要。
用途:有機肥料
・飼料:生ゴミ、食品残渣を脱水し飼料化
異物除去が必要
用途:飼料
但し次の動物由来タンパク質(例外あり)を原料にするものは反すう動物(牛、めん羊、山羊及びしかをいう)には与える事が出来ない。
① ほ乳動物由来たん白質
② 家きん由来たん白質
③ 魚介類由来たん白質
④ 動物性油脂
⑤ 食品残渣に由来する動物由来たん白質
⑥ 飼料添加物(①~⑤に該当する物質が含まれるものに限る。)
反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン
・リキッドフィーディング
:食品残渣と水を混ぜて乳酸菌を加えて発酵させる。
異物除去が必要
用途:豚の飼料。
・バイオマス:メタン発酵させメタンガスを回収。
用途:燃料、発電
・バイオディーゼル燃料、エタノール
実際に何にリサイクルされるかというと、肥料が圧倒的に多い。
平成22年で少々データは古いが、九州における生ごみ・食品リサイクル事例によると圧倒的に肥料が多い。
九州における生ごみ・食品リサイクル事例
郡司センセの言うような容器ごと加熱する方法は飼料化ではなく、炭化法である。
大阪府エコタウンプランの、③ 食品系・木質系廃棄物総合リサイクル事業 (30ページ)がこれに相当する。
大阪府エコタウンプラン
飼料化は32ページの④ 食品残渣の飼肥料化及び廃プラスチック等原燃料化事業が、肥料化、飼料化に相当する。
食品残渣から容器を分別し、食品残渣は肥料や飼料、プラスチックは再商品化している。
>コンビニ食品を再利用した配合飼料の安全面での問題点は、まず飼料に発泡スチロール、プラスチックの成分が含まれることだ。
>コンビニおにぎりの包装をひとつずつ分別することは、量が多すぎて不可能なのだ。
郡司センセはこんな事を書いているが、現実をご存じないようで、実際は自動で分別できる。
神奈川県の共立工業(株)が食品リサイクル装置を製造、販売している。
共立工業株式会社-製品案内
このサイトの中程に、分別機動作デモの動画があり、弁当やおにぎりの容器と中身を見事に分別しているのが判る。
食品と容器を分別する装置を製造している会社は他にも有る。
>カップ麺の発泡スチロール製容器から溶出する化学物質のスチレンもプラスチック成分で、生殖機能に悪影響を与える環境ホルモンだ。
スチロール容器から溶出するのはスチレンダイマー、スチレントリマーで、これはポリスチレン樹脂を合成する際の副生物。
スチレンダイマー、スチレントリマーに内分泌攪乱作用は無いとされる。
スチレンダイマー、スチレントリマーの有害性評価
>また、コンビニサンドイッチなどを包んでいるラップにはフタル酸エステルやアジピン酸エステルという可塑剤が添加されているが、これらも催奇形性(奇形を出現させる性質)がある環境ホルモンである。
フタル酸エステルやアジピン酸エステルはポリ塩化ビニルの可塑剤だが、フタル酸エステルは食品ラップには使われていない。
食品包装用ラップフィルム中の添加剤の含有量調査
アジピン酸エステルは内分泌攪乱物質と疑われたが、内分泌攪乱作用は無いとされている。
アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)の有害性評価
>「鶏(白色レグホン)に1日4グラム以上グリシンを経口投与すると、中毒症状を呈し、極度の疲憊、昏睡及び死亡が見られた。さらに、水分の排泄量は減少し、その窒素含量は4倍に増加し、プリン濃度も上昇した。腎臓は著しく萎縮している」
>こんな毒性のあるグリシンを含有する餌を食べさせられる鶏は、悲劇的である。その鶏が産む卵を惣菜などに利用するというのだから、グリシンは濃縮されて人の口に入ることになる。
レグホンの23週齢の雄の成鳥は約2kg、雌で1.5kgである。
鶏の成長過程における鶏体各部の大きさ
人間のグリシンのサプリメントでは、普通は1日の量は3gだから、ニワトリに4gというのは非常に多量という事になる。
4gというのは安全性の評価のためのデータで、食品残渣飼料から摂取する量は知れたもので有る。
そもそも、グリシンは飼料に添加する事が認められている。
対象外物質評価書 グリシン
郡司センセが書いているように、容器ごと焼却すれば、ヘテロサイクリックアミンやアクリルアミド等々、様々な有害物質が生成するわけでグリシンどころでは無い。
焼却残渣を飼料にするなど、下手なホラー小説としか言いようがない。
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