ホラー作家の南清貴センセのトンデモ新作、ビタミンC入りドリンク

   2017/08/15

 南清貴センセがビタミンC入りの飲料水に噛みついている。
 『一部のビタミンC入りドリンクは人体に危険!結石や発がん性物質含有の恐れ

 確かに、夏場のビタミンC補給は大事です。しかし、その質にもよるので、むやみやたらにビタミンCを摂ればいいというわけではありません。~

 日本で使われているビタミンCは、「L-アスコルビン酸」とも呼ばれます。実は、この大半は中国産だということをご存じでしょうか。~

 ビタミンCに限らず、中国産の食品添加物が劣悪であることは周知の事実ですが、それは副産物である不純物が多いからです。
 つまり、ビタミンCを合成してつくり出す時に、ほかの物質も化学合成され、それが多量に含有されているのです。
 もちろん、合成されたビタミンCそのものの質も劣悪です。

 現在ではビタミンCの国内生産は無く、全量が輸入で約90%は中国産である。
 世界のビタミンCの生産量の約90%は中国である。
 農林水産省 世界の食糧事情と農産物貿易の動向 

 主なメーカーは次の4社であった。
 江蘇江山製藥(Aland (Jiangsu) Nutraceutical)
 東北製薬
 石藥集團維生藥業(CSPC Weisheng Pharmaceutical ウェイシン)
 河北??康製薬(Hebei Welcome Pharmaceutical ウェルカム)

 江蘇江山製藥のビタミンC部門は、現在ではオランダの総合化学メーカーのDSMが買収している。
 また、ドイツの総合化学メーカーのBASFは、東北製薬とビタミンCの合弁会社を設立している。
 DSM、江蘇江山製藥買収で合意、ビタミンC事業を強化   
 この4社で世界のビタミンCの約90%を生産、残りはDSMのスコットランドにあるDalry工場が生産している。
 但しウェルカム(イギリスのWellcome、現在のグラクソスミスクラインとは無関係)はビタミンCの生産を中止したとの事である。
 ビタミン自然派生活    
 ビタミンCに限らず、他のビタミン類も多くは中国生産となっている。

 >中国産の食品添加物が劣悪であることは周知の事実ですが、それは副産物である不純物が多いからです。
 南センセや郡司和夫センセ達の様なトンデモ系の人たちは、何かにつけて中国産の製品が劣悪と言うが、嘘でも有りホントでもある。
 食品に限らず、中国企業は玉石混交であるのは間違いない。
 ビタミン類に関して言えば、世界中の製薬や食品メーカー等に納品されているわけで、規格に沿った受け入れ検査がなされているわけで、劣悪な製品が通用する訳が無い。
 不純物が多いだの、品質が劣悪だのは単なる言いがかりに過ぎない。
 食品添加物に限らず医薬品原料等、中国が主流になっている製品は多い。
 通常の食品偽装と違い、成分分析すれば品質は一目瞭然。

 中国産製品の品質といえば、最近次のような報道があった。
 医薬品原薬メーカーの山本化学工業が、無届けで解熱鎮痛剤に使うアセトアミノフェンに無届けで中国産を混入して出荷したり、原料をアメリカ産から中国産にしたなどの理由で営業停止処分になったという。
 これは、医薬品の製造方法や原料を変更する場合、審査を担う独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」に届け出しなければならないが、同社はこれを怠ったという。
 ただし出荷した製品の品質には問題がなく、出荷した製品やそれを使用した製品の回収はなされていない。

 WHO(世界保健機関)では、L-アスコルビン酸の1日摂取許容量は、成人で体重1キログラム当たり0.25グラムまでとしています。
日本の厚生労働省も、ビタミンCの摂取推奨量は1日100ミリグラムとしています。
こうしてみてみると、1000ミリグラムものビタミンCを含んだ清涼飲料水が、いかに異常であるかがわかります。

 これは明らかにヘン。
 FAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)による評価は次の通り。

 JECFAは1973年の第17回会議において、ヒト及び動物での大量投与の試験結果に基づいて、L-アスコルビン酸、同カリウム塩及び同ナトリウム塩に対し、ADIとして0~15 mg/kg体重/日の値を設定している。なお、この値は食事からの摂取の他に摂取が許容される量である。引き続きJECFAは1981年の第25回会議において、L-アスコルビン酸、同カリウム塩及び同ナトリウム塩について審議し、これらの物質が食品添加物あるいはL-アスコルビン酸の栄養補助剤として使用されるという条件で、ADIを「0~15 mg/kg体重/日」から「特定しない(not specified)」に変更した。
出典:L-アスコルビン酸カルシウム 食品添加物評価書 

 一時期、一日あたり最高で15 mg/kg体重と一日摂取許容量(ADI)を設定していた時期があったが、現在は特定しないとしている。
 >WHO(世界保健機関)では、L-アスコルビン酸の1日摂取許容量は、成人で体重1キログラム当たり0.25グラムまでとしています。
 この「成人で体重1キログラム当たり0.25グラムまで」という数字をどこかで見た気がしていたら、当サイトでも書いた郡司和夫センセの記事に行き当たる。
 司和夫センセがデタラメを書いている! ペットボトル茶は危険!だそうで  
 南センセ、郡司センセの記事をパクっ???のかな?

 看護師や一部の医師に確認したところ、日本ではビタミンCの過剰摂取が結石をつくる可能性があるとは教えていないそうです。

 教えていないけど、医療関係者には一般常識に近いのでは???
 知り合いの意思は、ビタミンCを取り過ぎると結石ができる可能性があるし、必要以上に摂取しても意味がないと言っていたが・・・。

 耐容上限量の設定
 健康な人がビタミン C を過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することから、ビタミン C は広い摂取範囲で安全と考えられている。したがって,耐容上限量は設定しなかった。
 ただし、腎機能障害を有する者が数 g のビタミン C を摂取した条件では腎シュウ酸結石のリスクが高まることが示されている。ビタミン C の過剰摂取による影響として最も一般的なものは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響である。1 日に 3~4g のアスコルビン酸を与えて下痢を認めた報告がある。
 ビタミン C の摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、いわゆるサプリメント類から 1g/日以上の量を摂取することは推奨できない。
 出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書

 腎機能障害があって過剰摂取をすると、腎結石のリスクが高まるってことですね。
 アスコルビン酸は過剰に摂取すると吸収率がさがり、尿からの排出も増えるため、一日に1g以上摂取しても意味がないということである。
 ま、特に問題になるのはサプリメント関係であろう。
 アスコルビン酸はいろいろなサプリメントに配合してある場合が多く、複数のサプリメントを摂取すれば知らないうちに過剰摂取になる可能性はある。

 >こうしてみてみると、1000ミリグラムものビタミンCを含んだ清涼飲料水が、いかに異常であるかがわかります。
 1000mgというのは根拠のないことではなく、栄養機能食品の規格値でビタミンCの最大値。
 消費者庁 栄養機能食品 

 もうひとつ、私たちが注意しなければならないのは、L-アスコルビン酸と安息香酸ナトリウムという物質が混じると、発がん物質であるベンゼンがつくられてしまうことです。
 これは、「微量だから大丈夫」などとはいえません。

 清涼飲料水の裏に記されている成分表を見ると、ビタミンC(L-アスコルビン酸)+安息香酸ナトリウムという組み合わせは、とてもありふれたものです。
 そしてこのコンビが生み出すベンゼンは、非常に危険です。

 アメリカのFDAは1990年頃に、L-アスコルビン酸と安息香酸塩を含む飲料水から微量のベンゼンが含まれるという情報を得ていた。

 1990年頃、FDAはソフトドリンク業界から、発ガン物質であるベンゼンが安息香酸塩とビタミンC(アスコルビン酸)を含むある種の飲料中にppbレベルで生成する可能性があるとの情報を得た。
 ある種の製品にはベンゼンが存在することを知り、FDAと業界はベンゼン生成に関与する因子についての研究を行った。
 その結果、安息香酸塩及びビタミンCの存在下で高温と光があるとベンゼン生成が促進され、砂糖やEDTAがベンゼン生成を抑制することがわかった。
 EWGがFDAは情報を隠したと主張しているが、FDAはこの結果を1993年に発表している。
 出典:国立医薬品食品衛生研究所「食品安全情報」

 日本で飲料水のベンゼンが問題になったのは、2006年にイギリスなどで清涼飲料水中の安息香酸(保存料)とアスコルビン酸(酸味料、酸化防止剤)が、ある条件下で反応しベンゼンが生成すること、市販製品中にベンゼンが低濃度検出されること等が公表され、英国等ではベンゼン10ppbを超える製品の自主回収が要請されたことによる。
 日本でも31品目を試験したところ1品目に、ベンゼンのWHOの飲料水のガイドラインや、日本の水道水の水質基準である10PPB(1リットルあたり10マイクログラム)を超える製品が見つかり回収を要請した。
 厚生労働省 清涼飲料水中のベンゼンについて 
 清涼飲料水中のベンゼンに関するQ&A 
 現在では、水道水の水質基準の10PPBを超えた製品に対しては回収の要請をしている。
 また、安息香酸塩やL-アスコルビン酸を含んでいない飲料水からもベンゼンが検出されたという研究もある。
 清涼飲料水等に含まれるベンゼンの実態調査について 
 ということは南センセの言う『ぜひ、清涼飲料水を飲む前に成分表を確認してください。』というのはあまり意味ないことになる。

 南センセの言うように、飲料水のベンゼンが健康に影響するかどうかだが、ヒトのベンゼンの被曝量は空気ととも吸入する量の方が格段に多い。

 住居の屋内空気において、ベンゼンは500μg/m3 の高い濃度が検出されている。タバコの煙は屋内空気中のベンゼン含 有量に大きく寄与しており、喫煙者のベンゼン吸入量は、非喫煙者の50μg/日と比較し、約1,800μg/日に達している。
 多くの国において、職業暴露が15mg/m3 の時間荷重平均値を上回ることは少ない。しかし、実際に報告された濃度は研 究対象の工場により異なり、開発途上国の一部の工場では相当に高いことがある。
 水および食物から発生するベンゼンは、非喫煙者の成人の1日の総摂取量のわずかな部分を占めるに過ぎない(3~24 μg/kg体重/日)。
 出典:国立医薬品食品衛生研究所 ベンゼン 

 ベンゼンを気にするのであれば、飲料水を気にするより禁煙するのが一番と言うことになる。
 また、喫煙室内の空気中のベンゼン量は喫煙室外と比べて、約4倍という研究がある。
 また、蚊取り線香、線香、お香などからもベンゼンが発生し、資料を6畳の部屋で1時間燃焼させたところ、室内の空気のベンゼン量は大気環境基準超えていたという。
 線香、お香および蚊取り線香の煙中のベンゼン濃度  
 これらの資料によれば、ヒトのベンゼンの曝露量に飲料水のベンゼンはほとんど影響せず、喫煙や日常の生活に留意した方が余程重要と言うことになる。

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