ホラー作家?南清貴センセのデタラメホラー小説?「工業塩」

   2017/06/28

 ホラー作家?南清貴センセのホラー小説?「カップ麺やインスタント麺は人体に危害…食用ではない工業用の粗悪な塩を大量含有
 インスタント麺に食用で無い工業用の粗悪塩????
 

 日本の塩の自給率は15%程度と推定されており、残りの85%は輸入されている「原塩」と呼ばれるものです。 
 本来は工業用原料として使用されるもので、オーストラリアやメキシコから輸入されています。
 日本で1年間に消費される塩は約900万tといわれていますが、そのうち食用は約12%で、残りの約88%は工業用として食用以外の用途に使われています。
 しかし、原塩は1kg当たり30円以下と安価なため、一般に市販されている醤油、味噌、漬物、梅干、魚の加工品など、さまざまな加工食品にも使われているのが実情です。
 もちろん、カップ麺やインスタントラーメンに使われているのも、この原塩です。言うまでもありませんが、原塩には体に必要なミネラル分はほとんど含まれていません。

 ここで原塩と言われる塩の多くは天日塩と言われる物で、海水を太陽熱と風により水分を蒸発させて、2年程度の時間をかけて製塩している。
 天日塩田に必要な条件は
  ・雨が少ない
  ・高温低湿度
  ・風が強い
  ・日照時間が長い
  ・平坦で地盤のしっかりした広大な土地
 などの条件が必要で、メキシコやオーストラリアなどで大規模な天日塩田がある。
 天日塩ができるまで 
 広大な塩田で、太陽熱と風という自然エネルギーで製塩するためコストは低い。
 並塩として扱われる物もあり、価格が安いので食品産業では広く使われる。
 >言うまでもありませんが、原塩には体に必要なミネラル分はほとんど含まれていません。
 これは嘘。
 純度や成分は日本で行われていた、流下式塩田製塩法とほぼ同じである。
 製塩法と塩の品質  
 天日塩 
 天日塩でも工業用塩の専業の事業者もあるが、基本的な製法は同じ。
 タンピアソルト 
 「食用ではない工業用の粗悪な塩を大量含有」などは戯言に過ぎず、組成は流下式塩田法で製造された塩とほぼ同じ。
 化学産業用で高純度の塩化ナトリウムが要求される場合は、イオン交換膜電気透析法で塩化ナトリウムの純度をあげて使用する。
 ちなみに食塩の精製塩もイオン交換膜電気透析法で製造される。

 大事なのは、そんなことを気にするよりも「いい塩を摂るように心がける」ことです。
 では、「いい塩」とはどういう塩か。もっともいいのは、海水からつくられる自然塩です。
 なぜなら、ミネラル分が豊富に含まれているからです。

 海水には、その必須ミネラルがすべて含まれています。
 そして、その組成は驚くほど人体のそれと似ているのです。
 しかし、カップ麺やインスタントラーメンに使われている塩は、純度99%の「塩化ナトリウム」です。
 ほかの重要なミネラルはほとんど含まれておらず、「偏った塩」ということになります。

 >海水には、その必須ミネラルがすべて含まれています。
 >そして、その組成は驚くほど人体のそれと似ているのです。
 海水と体液の組成は塩素イオンとナトリウムイオン以外は全く似ていないけどね。
 
 >しかし、カップ麺やインスタントラーメンに使われている塩は、純度99%の「塩化ナトリウム」です。
 純度99%の塩は原塩で無く、イオン交換膜電気透析法で製造された食塩である。

 最も多く使われる調味料はグルタミン酸ナトリウム。
 そこで足されるのは、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの化学調味料と呼ばれる物質です。
 偏った塩も化学調味料も、体内で分離して、大量のナトリウムイオンになります。
 実は、この大量のナトリウム分が血圧を上げるのです。

 グルタミン酸ナトリウムは普通は一水和物で分子式は次の通り
 C5H8NNaO4・H2O
 各原子のモル質量は次の通り
 炭素C:12.0107≒12g/mol
 水素H:1.00794≒1g/mol
 窒素N:14.0067≒14g/mol
 ナトリウムN:22.9897≒23g/mol
 酸素O:15.9994≒16g/mol
グルタミン酸ナトリウムに含まれる各元素の量はとなると
 炭素5:12*5=60
 水素8:1*8=8
 窒素1:14*1=14
 ナトリウム1:23*1=23
 酸素4:16*4=64

 60+8+14+23+64≒169
 グルタミン酸ナトリウムの分子量は約169g/mol
 更に普通は一水和物のため水の分子H20が一つくっついている。
 1*2+16=18g/mol
 169+18=187
 187gのグルタミン酸ナトリウム一水和物に含まれるナトリウムは23g、100gでは12.3g。

 一方食塩(塩化ナトリウム)に含まれるナトリウムは
 塩素Cl:34.45g/mol
 ナトリウムNa:23g/mol
 34.45+23=57.45g/mol
 57.45gに含まれるナトリウムは23g、100gだと40g

 グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムに含まれるナトリウムは塩化ナトリウムと比べて少なく、1食分の使用量も食塩と比べると格段に少ない。
 総摂取量と言う事になれば無視はできないが、食塩に比べるとナトリウムの量は少ない。

 >偏った塩も化学調味料も、体内で分離して、大量のナトリウムイオンになります。
 一番のナトリウムの供給源は食塩で、精製塩だろうがいわゆる自然塩だろうが同じ事。
 海水からつくられる、南センセの言ういわゆる自然塩も大量のナトリウムイオンになるのは全く同じ。
 また、南センセのお好みの昆布やかつお節の旨味成分は、ナトリウムを中心としたグルタミン酸塩やイノシン酸塩である。
 

 イギリスの医学誌「ランセット」には、食塩の摂取量と死亡率の関係を調査した論文が発表されています。
 それによれば、食塩摂取量のもっとも多いグループの死亡率がもっとも低く、食塩摂取量のもっとも少ないグループの死亡率がもっとも高いという結果が出ています。
 これは、約21万人を対象としたアメリカの「国民栄養調査」から得たデータで、25~75歳の健康な成人を対象とした調査であることから、信頼度の高いものと考えられます。
 要は、盲目的に「塩が高血圧の原因だ」というのではなく、「いい塩を適量摂りましょう」ということです。

 アメリカの「国民栄養調査」ということだが、『循環器トライアルデータベース』という医療従事者を対象にしたサイトが、米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)に言及している。
 

 心血管代謝疾患死の半数近くが,ナトリウムや加工肉の多量摂取など食事因子の摂取が最適ではなかったことと関連。
1999~2002年(8,104人[男性48.2%]),’09~’12年(8,516人[47.6%])の食習慣データから食事10因子*の摂取と心血管代謝疾患(心疾患,脳卒中,2型糖尿病)死の関連,10年間の傾向を推定した。

 食事が関連していると推察される心血管代謝疾患死が最も多かったのは,ナトリウム多量摂取(心血管代謝疾患死の9.5%),次いでナッツ/種子少量摂取(8.5%),加工肉多量摂取(8.2%)だった。(心血管代謝疾患死の9.5%),次いでナッツ/種子少量摂取(8.5%),加工肉多量摂取(8.2%)だった。

 食事が関連していると推察される心血管代謝疾患死が最も多かったのは,ナトリウム多量摂取、としている。

 また、アメリカ農務省が発行している『2015-2020年版アメリカ人の食品ガイドライン』がある。
 DIETARY GUIDELINES FOR AMERICANS 2015-2020
 ナトリウムの摂取量が推奨上限摂取量と比較して摂取量が高く、一歳以上の人の平均摂取量がは一日当り3.440mg、男性4,240mg、女性2,980mgと過剰摂取となっていると指摘している。(食塩では無く、ナトリウムの摂取量)
 

 食塩摂取量が血圧や疾病に影響するという調査や研究は数多くある。
 イギリスでは2003年より国が主導し減塩を推進し、8年間でイギリス人の食塩摂取量が9.5gから8.1gと約15%減少したとしている。
 イギリスのウルフソン予防医学研究所のGraham MacGregorらが2014年4月14日にオンライン医学誌「BMJ Open」報告した論文では、食物中の塩分量を15%低下させたところ、心疾患による死亡率は40%、脳卒中による死亡率は42%低下したという結果だった。
 Salt reduction in England from 2003 to 2011: its relationship to blood pressure, stroke and ischaemic heart disease mortality  

 もちろん、カップ麺やインスタントラーメンに使われているのも、この原塩です。
 言うまでもありませんが、原塩には体に必要なミネラル分はほとんど含まれていません。

 南センセは、精製塩と原塩(天日塩)と区別が付かないのだろうか。
 ちなみにいわゆる自然塩で必要なミネラルが摂取できるかどうかと言う事になる。
 宮古島で、海水淡水化装置で濃縮された海水の水分を飛ばして製造する「雪塩」が製造されている。
 宮古島の雪塩 
 雪塩はいわゆる苦汁を除去していない食塩である。
 代表的なミネラルの摂取目標は次の通り
 ミネラルの摂取目標 mineral.pdf
 いわゆる天然塩で目標に達するのはマグネシウムのみで、他は全く不足している。
 食塩で十分なミネラルを摂取というのは全くの戯言。
 てな訳で「カップ麺やインスタント麺は人体に危害…食用ではない工業用の粗悪な塩を大量含有」なんてのは出来の悪いホラー小説。

 と言ってもカップ麺やインスタントラーメンが非常に体に良い食べ物という訳では無い。
 カロリーSlims カップラーメン 
 ここで見ると、やはり脂肪と塩分が多いのには違いない。
 健康な成人の場合の一日の食塩摂取量は、男性:8.0g未満 女性:7.0g未満とされている。(2015年4月からの厚生労働省推奨食塩摂取量の目標量)
 銘柄によれば麺とスープを全て食べれば一日の推奨上限摂取量を超えるものも有る。
 ラーメンに限らないけど、特定の食品を偏って食べるというのはNG。
 国立栄養研究所が、国民健康・栄養調査での摂取実態を解析、食塩の摂取元のランキングを発表している。
 1位はカップ麺、2位のラーメン、3位の梅干しと続く。
 インスタント麺類は、多食は要注意ではある。
 『日本人はどんな食品から食塩をとっているか?』 

 食品の成分を調べたければこちら
 文部科学省 食品成分データベース 
 表示成分選択でチェックを入れた栄養成分が表示可能

 

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