河岸宏和センセのデタラメ記事(卵)

 

 日刊SPAに『賞味期限しか記載のない卵は要注意!? 「食品偽装」にダマされない方法』というトンデモ記事が載っている。

 賞味期限、産地の表示は実は抜け穴だらけだった
 まずは、最も身近な食品の表示に潜む罠について、食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏に聞いた。
「消費者が最も気にする賞味期限のカラクリについては、卵を例にとってみるとわかりやすいんです。近くのスーパーに行ってみて、数種類の卵を見比べてみてください。そうすると、賞味期限しか表示していない商品と、採卵日と賞味期限の両方を表示している商品があることに気づくはずです」
 通常卵の賞味期限は製造日から14日後で、採卵日と賞味期限両方を記載した商品は、採卵日の14日後が賞味期限となっている。
「しかし、賞味期限しか表示されていない商品は、いつ採卵されたかわからない。採卵日をわざわざ記載しない、ということは、14日以上前に採卵されたものにもかかわらず、パックに詰めた『製造日』の14日後を賞味期限として表示している可能性が高いでしょうね。法律では、採卵したその日にパック詰めしようと、採卵して数日後にパック詰めしようと、最終加工日が『製造日』と見なされるので問題はないんですよ」

 この記事のどこが間違っているかというと次の箇所である。
 まず、卵の賞味期限は採卵日を含めて最大21日である。
 また、表示も賞味期限のみと、賞味期限とパック日のどちらかで、採卵日の表示は無い。
 スーパーマーケットの卵をみると、採卵日の表示のある物は無いはずである。
 これらは平成22年に改訂された『鶏卵の日付等表示マニュアル』で定められている。

(2)賞味期限の改訂
 賞味期限については産卵日起点であることをより明確化するとともに、家庭で生食用として消費される鶏卵については“産卵日を起点として21日以内を限度”として表示することを新たに制定・公表することとする。

 なお、今回期限表示の徹底を図るに当たり、業界として賞味期限に統一し産卵日等との併記は行わないこととしました。
 量販店等から併記の要請があった場合は、まずその旨を説明して下さい。

 賞味期限は産卵日を含めて最大で21日であり、産卵日の表示はしないということである。

 >近くのスーパーに行ってみて、数種類の卵を見比べてみてください。そうすると、賞味期限しか表示していない商品と、採卵日と賞味期限の両方を表示している商品があることに気づくはずです。
 スーパーに行って卵を見ても、賞味期限のみの表示の物と、賞味期限とパック日の表示も物はあるが、採卵日(産卵日)の表示されている物は無い。

 この卵は12月4日に購入した物である。
 表示で賞味期限が12月21日になっている卵の産卵日は、21日さかのぼった12月1日以降であるはずである。
 一方賞味期限とパック日の表示のある卵は、12月17日から21日さかのぼった11月27日から12月3日までのいずれかの日になるはずである。
 パック日の表示のあるのは、卵の売れ行きが週末や休日に多いためそれに併せて出荷するためで、いわば生産調整の様なものであり、パックまで最長で7日としてパック日より2週間が賞味期限となる。
 いずれの表示も賞味期限は、産卵日を含めて最大21日というのは同じ事である。

 河岸宏和センセは食品のプロであり、当然このことは知っているはずである。
 知らないでこのようなコメントを出すのは非常にお粗末だし、承知の上だとすれば非常に悪質である。
 河岸宏和センセのかつての食品関係の著書は良く出来ていて、しばしば参考にしたがいつの間にか方向転換したようである。
 郡司和夫センセや南清隆センセの様にトンデモ系の方が稼げると認識したのであろうか。

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