初夏の風物詩???、学校でのジャガイモ中毒

 

 新聞報道によると、兵庫県宝塚市の小学校でジャガイモによる食中毒が起きたとのこと。

 9日正午すぎ、兵庫県宝塚市美座2の同市立美座小学校の校長から「今朝掘り起こしたジャガイモを食べた児童が気分不良を起こしている」と119番があった。
 同市消防本部や県警宝塚署によると、5年生の男女13人が腹痛や手のしびれなどもを訴え、病院へ搬送された。うち8人が中等症、5人が軽症。
 同署によると、児童たちは家庭科の授業中にジャガイモを食べたという。
  神戸新聞NEST

 毎年、この時期になると学校などで栽培したジャガイモによる食中毒の話を聞く。
 当サイトでも以前にこの件に触れている。 
 学校菜園でのジャガイモ中毒  
 この記事は3年前の事だが、相変わらず繰り返している。

 これは、ジャガイモに含まれるグリコアルカロイドのα-ソラニンやα-チャコニンによるもの。
 α-ソラニンやα-チャコニンはイモが動物などの食害を防止する、防除物質との説がある。
 ソラニンとチャコニンの詳細情報  
 食品に含まれるソラニンやチャコニン  
 児童が栽培したジャガイモで食中毒  
 キノコ類を除いた植物性自然毒による食中毒の患者数はジャガイモによるものが一番多く、殆どは学校などで栽培されたジャガイモが原因とされる。
 平成29年食中毒発生状況(概要版)及び主な食中毒事案  

 ソラニン等は成熟なジャガイモや、日光に当たって綠変したジャガイモ、ジャガイモの芽の部分に多い。
 家庭菜園や学校で栽培されたジャガイモで事故が多いのは不適切な栽培による場合が多い。
 ジャガイモ栽培するばあい、芽欠きや土寄せなどの作業が必要だし、十分な肥料が必要だが、学校などでは適切な作業がされていない事が多い。
 また、ジャガイモは寒冷な気候を好み、植え付け時期は1月中旬~3月中旬が最適とされ、植え付け時期が遅れると十分に熟成しないうちに茎葉が枯れてしまうことが多い。
 学校での栽培は新学期の4月以降になってしまい、関東以南では植え付け時期が遅くなってしまう。
 さらに、施肥、芽欠き、土寄せなど正しい栽培をする必要があるが、先生がそれらに詳しいとは限らない。
 要は、ジャガイモは学校での栽培の実習には不向きということであり、サツマイモ等にしたほうがよい。
 ジャガイモ中毒は初夏の風物詩というのは頂けない。

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