郡司和夫センセがクッキーに噛み付いている

 

 郡司和夫センセの人体に危険シリーズ。
 毎度おなじみの郡司和夫センセが、『菓子やクッキーは人体に危険!有害なトランス脂肪酸や膨張剤を大量使用、がんや遺伝毒性のおそれ』なる記事を書いている。

 市販されているクッキーは、低級な品質の悪い輸入小麦粉を原料に、着色料、人工甘味料、合成香料、膨張剤、強化剤など、たくさんの食品添加物を使って安く大量につくられています。
 とても、「クッキーが体に良い食品」とはいえなくなっているのです。まして、小さな子供にはとても勧められません。

 低級な品質の悪い小麦って決めつけてますがね・・・・
 うどんとか天ぷらに使うには国産小麦が向いてるんだが、パンや菓子類に使う小麦は外国産の小麦が向いてるんですけど。
 国産小麦でパン作りをしようとすると、郡司センセが叩きまくっていた『臭素酸カリウム』が使わざるを得なかったわけ。(大手メーカーは代替え品に切り替え済み)

 もっとも注意すべき点は、原材料にマーガリン、ショートニングが使用されていないかどうかです。
 これらは、摂り過ぎると心疾患のリスクを高めるトランス脂肪酸を含みますので、注意が必要です。

 元々、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は少なく、WHOではトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギーの1%未満に抑える様に提示しているが、日本人の平均値は総エネルギーの0.3%とされている。
 ただし、脂質に偏った食事をしている人は1%を上回る可能性があるとされる。
 また、マーガリンやショートニング、他の食品に含まれるトランス脂肪酸は、大幅にばらつきがある。

 最近トランス脂肪酸が大きな話題となり、更に減少していると思われる。
 「食品に含まれるトランス脂肪酸」評価書に関するQ&A」 食品安全委員会

 次に留意する点は、グルコース(ブドウ糖)、フラクトース(果糖)、マルトース(麦芽糖)などの還元糖が使われていないかどうかです。 
 高温加熱で食品中のアミノ酸の一種であるアスパラギンが還元糖と反応して、遺伝毒性や発がん性が懸念される化学物質「アクリルアミド」に変化することが国際的に確認されているからです。

 還元糖とアスパラギンが高温下のメイラード反応で、アクリルアミドが生成する事は判っている。
 アクリルアミドは市販の食品だけでは無く、家庭での調理でも生成する事が判っていて、実際の被曝量としては家庭での料理による被曝量が大きい事が判ってきた。

評価書 加熱時に生じるアクリルアミド 食品安全委員会
 また、この評価書によると非喫煙者のアクリルアミド曝露量は0.85 μg/kg 体重/日と推定されるが、喫煙者のアクリルアミド曝露量はは3.4 μg/kg 体重/日と推定され、非喫煙者よりも約4倍高いとされる。(評価書、PDFファイルの142ページ)
 アクリルアミドを気にするなら加工食品だけに目を向けてもダメという事が判る。

 両社のクッキーに共通している添加物は膨張剤ですが、これは要注意です。
 小麦粉生地に炭酸ガスを発生させ膨らますのが膨張剤です。
 膨らませることで食感が向上しますが、膨張剤によって健康リスクも高まるのです。
 膨張剤には、酒石酸、クエン酸、第一リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、フマル酸など、複数の添加物が調合されていますが、表示は「膨張剤」ひとつでいいのです。
 ベーキングパウダーも膨張剤の仲間ですが、ベーキングパウダーには上記の添加物のほか、焼きミョウバン(アルミニウムを含有)という添加物が使われているため、膨張剤とは別に表示されます。
 膨張剤は発がん性が指摘されています。
 ベーキングパウダーは、それに加えてアルミニウムの害が懸念されます。
 世界保健機関(WHO)では、アルミニウムの「精神・神経疾患への影響が懸念される」ことなどから、アルミニウムの摂取量は「週に2mg/kg体重」以下にするべきという基準値を決めています。

 郡司センセお得意の発がん性ですか・・・・(^^;)
 膨張剤に使われる物質は下記の図の通りで、これを組み合わせて使用する。

 膨張剤の成分としては炭酸水素ナトリウム(重曹)が使われ、加熱する事により二酸化炭素を放出して炭酸ナトリウムになる。
 炭酸水素ナトリウムのみだと、炭酸ナトリウムのアルカリ性が強く苦みが出やすく、仕上がりも黄ばんでしまう。
 これは中華麺製造時に、アルカリ性の鹹水を加えると麺が黄色になるのと同じ現象である。
 これを防ぐために弱酸性の物質を併用するわけで、水と混ぜたときに炭酸水素ナトリウムと酸性の物質が反応して二酸化炭素を発生するとともに、炭酸ナトリウムを中和させる。
 ベーキングパウダーとしては、水と混ぜたときに70%、加熱したときに30%の二酸化炭素を発生させるのが望ましいとされる。
 塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムは加熱する事によりアンモニアを発生し、炭酸ガスより力強い膨張作用を発揮する。
 膨張剤に使われる物質で発がん性が問題になる物質はないけど・・・・・

 さてアルミニウムだが、膨張剤に含まれるアルミニウムは硫酸カリウムアルミニウム(カリミョウバン)と硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)による。
 無水のカリミョウバンには約10.5%、アンモニウムミョウバンには約11.4%のアルミニウムが含まれる。
 ミョウバンを使った製品は色々有るが、膨張剤が問題となるのは使い方による。
 ミョウバンの用途には、ナスの漬物の色止め、ウニなどの海産物の形状安定剤、野菜のあく抜きや形状安定剤などに使われる。
 形状安定剤やあく抜きには0.1%~0.3%程度の水溶液に浸すだけで、ナスの漬物は下漬の付け液に多く含まれ、製品には多くは残らない。
 その点、膨張剤に含まれるミョウバンはそのまま残るため、アルミニウムの量が多くなる。
 実際にクッキーにどの程度のアルミニウムが含まれるかというと、東京都健康安全研究センターの『アルミニウム含有食品添加物を使用した食品中のアルミニウム含有量』によると、
 17サンプル中
 0.16mg/gが1サンプル
 0.05mg/gが1サンプル
 残り15サンプルが、定量限界以下(0.01mg/g)~検出せず
 郡司センセはクッキーが危ないとしているが、結果としてほとんどのクッキーのアルミニウムの量は問題にならない量と言う事になる。
 ちなみに東京都の調査でアルミニウムの多かったのは
 スコーン       0.37mg/g
 パウンドケーキ    0.36mg/g
 ホットケーキミックス 0.43mg/g
 スコーンミックス   0.57mg/g
 お好み焼きミックス  0.22mg/g
 塩蔵クラゲ      0.90mg/g
 等がある。
 なお、東京都の調査文書では、耐容週間摂取量(TWI)として1mg/kg/週を設定したとしているが、現在では2mg/kg/週となっている。

 ベーキングパウダーも膨張剤の仲間ですが、ベーキングパウダーには上記の添加物のほか、焼きミョウバン(アルミニウムを含有)という添加物が使われているため、膨張剤とは別に表示されます。
 膨張剤は発がん性が指摘されています。
 ベーキングパウダーは、それに加えてアルミニウムの害が懸念されます。

 ベーキングパウダーは膨張剤そのもので、食品表示は「膨張剤」「ベーキングパウダー」「ふくらし粉」のいずれも可。
 >ベーキングパウダーには上記の添加物のほか、焼きミョウバン(アルミニウムを含有)という添加物が使われているため、膨張剤とは別に表示されます。
 膨張剤としてミョウバンを使う場合、一括表示できるためミョウバンの表示は不要。
 食品ジャーナリストを名乗るにはお粗末です~

 厚生労働省によると、マーケットバスケット調査の結果(平成23年度~平成24年度)では、
 加工食品及び未加工食品由来のアルミニウムの推定摂取量及びJECFAの評価結果(2mg/kg体重/週)を用いて算出した対PTWI比が最も大きかったのは、小児(-6歳)で約43%であったとしている。
 学童(7-14歳)、青年(15-19歳)及び成人(20歳以上)では特に問題ないが、小児(1-6歳)で(2mg/kg体重/週)を越える場合があるとしている。
 そのため2013年7月1日付けで業界団体に「硫酸アルミニウムカリウム及び硫酸アルミニウムアンモニウムを含有する膨脹剤の使用量の低減について」という依頼文書を出している。
 市販されているベーキングパウダーはほとんどアルミフリーになっているし、大手の食品メーカーも対応は進んでいる。
 業務用のベーキングパウダーもアルミフリーが増えている。
 アイコクベーキングパウダー 
 蛇足

 【A社製】 原材料名表示:馬鈴薯澱粉粉(遺伝子組換えでない)、砂糖、卵、乳糖、粉ミルク、カロチン色素

 膨張剤、ベーキングパウダーには、くれぐれも注意が必要です。特に、小さな子供をお持ちの方は、クッキーを選ぶ場合にはA社のような原材料名表示のものを選ぶべきでしょう。

 A社製のレシピ、膨張剤を加えれば卵ボーロのレシピになる。
 郡司センセも触れている公正取引委員会の「ビスケット類の表示に関する公正競争規約第2条」によるとA社製はクッキーを名乗る事が出来ない事になり、焼き菓子の表示となる。

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