久大線の被災

 

 令和2年7月豪雨で、九州内の鉄道は、久大線、肥薩線、くま川鉄道など、鉄道網が大きな被害を受けた。
 JR九州が被災状況に関するプレスリリースを出している。
 令和2年7月豪雨による当社の被災状況について
 久大線では145箇所の被害箇所があることの事。
 その中で、重大な被害箇所をグーグルストリートビューで確認出来る久大線の被害を追いかけてみた。

 1.第八玖球川橋梁
 天ヶ瀬~杉河内間の第八玖球川橋梁の盛土の流出。
 場所はここ。
 ストリートビューの画像
 画像に写っているコンクリートの擁壁ごと流出している様に見える。
 
 2.第一野上川橋梁  引治~豊後中村間の第一野上川橋梁の橋脚の傾斜と線路変形
 場所はここ
 ストリートビューの画像

 3.第二野上川橋梁流出
 豊後中村~野矢間の第二野上川橋梁の流出
 場所はこちら
 ストリートビューの画像
 橋梁が流出しているが、橋脚も破損している模様。

 4.水分トンネル土砂流入
 野矢~湯布院間の水分トンネル土砂流入
 場所はこちら
 現場はこちら
 約10年前の冬の画像なので少々雰囲気が違っている。
 野矢側から水分トンネルへの線路は下り勾配で、谷底を線路が通っている状態である。
 水分トンネル(1860m)は、野矢側の入り口は標高は610m、湯布院側の出口は595mの勾配となっていて、約15mの標高差があり、トンネル内は湯布院に向かって下り勾配となっている。
 野矢側の斜面から水や土砂が流出しトンネル内に水や土砂が流入したのであろう。
 土砂混じりの水のため、線路ごと流出の可能性も有る。

 5.第六由布川橋梁の盛土流出。
 南由布~湯平間の第六由布川橋梁の大分側橋台の盛土流出
 こちらのサイトからすると第六由布川橋梁はこちら。
  南由布を出てすぐの灰色とコンクリート製の橋梁が第二由布川橋梁なので、これが第六由布川橋梁となる。
 
 画像はこちら。
川の流れの方向は合っているし、この付近で川が左側に曲がっているところから、大分側の橋台附近の盛土が流出は理に合っている。

 6.小野屋~鬼瀬間の道床流出
 場所はこちらと思われる。
 JR九州の資料に、手前に道路の手すりと思われる部分が写っている。
ストリートビューの画像にも同様の手すりが写っていて、国道210号線の橋の手すりと同じものに見える。
 線路下に川と言うより溝に近い流れがあったが、大水でオーバーフローして道床が流されたと思われる。
 航空写真はこちら
 第八玖球川橋梁の道床流出の被害のあった日田~豊後森間は8/8に復旧、庄内~向之原は8月末に復旧予定だが、橋梁流出等の重大な被害の発生している、豊後森~庄内間は相当時間がかかりそうである。
 とくに橋梁の修復は河川改修と共に行われるため相当な時間がかかるのは過去の事故の事例ではっきりしている。
 いずれにしろ、不採算路線を多く抱えるJR九州にとって、今回の災害は痛手になるであろう。
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