すっぽん&黒酢はお得????『体に良い気がする食品』

 

 最近、衛星放送で黒酢製品の健康食品のコマーシャルが頻繁に流されている。
 黒酢にスッポンとか発酵黒ニンニクとか様々である。
 黒酢は米酢などとの比較で米酢より格段に豊富なアミノ酸が含まれるとされる。
 名古屋市消費生活センターの調査でも穀物酢との比較で、黒酢の方がアミノ酸含有量が多いのは事実である。
 名古屋市消費生活センタ-/食酢  
 栄養表示のされている某スッポン&黒酢の製品と一般的な食品のアミノ酸を比較してみた。
 某スッポン&黒酢の一日の摂取目安と、納豆50g1パックと玉子Mサイズのアミノ酸を表にしてみた。
 某スッポン&黒酢は栄養表示から、納豆と玉子は文部科学省の食品成分データベースから算出したものである。
 この表で網掛けしたアミノ酸が必須アミノ酸である。
 
 これを見るとわざわざ、スッポン&黒酢製品を窃取するより、玉子掛けご飯に納豆を喰った方が格段に大量のアミノ酸を摂取できることが判る。
 ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンはコラーゲンに由来する物質で、ヒドロキシプロリン含量の10倍相当量をコラーゲン量と考えることができるとされる。
 「コラーゲン」と「ヒドロキシプロリン」/食品分析センター
 これからすると、某スッポン&黒酢の一日の目安量からすると、約350mgのコラーゲンが含まれることになる。
 ただし、原材料にカプセルに使われるゼラチンが含まれていて、ゼラチンも熱変成したコラーゲンであるから、実際にスッポンがどれくらい含まれるかは不明である。
 アミノ酸にしろコラーゲンにしろ摂取する絶対量が少量のため、アミノ酸やコラーゲンの供給源としては到底おぼつかない。

 栄養成分表示は表9のように20銘柄中7銘柄が行っていた。
 そのうち、6銘柄は主要栄養成分とナトリウムの表示であったが、1種類はアミノ酸と有機酸が細かく表示され、その両者が豊富に入っているという印象を与えていた。
 食酢のアミノ酸は迅速に吸収されるということはあっても、そんなにたくさん酢を摂取できないのでアミノ酸の摂取量も少量となり、よいアミノ酸の供給源にはならない。
 むしろ、卵、牛乳、大豆などの良質のタンパク質を含んだ食品の方がよいアミノ酸の供給源となろう。
 名古屋市消費生活センタ-/食酢

 発酵黒ニンニクも、普通のニンニクと比べてアミノ酸やポリフェノールが多いとの事だが、こちらも素材としては豊富かも知れないが、摂取する量が少ない以上供給源としては期待できない。
 ポリフェノールを多く含む食材は
 タマネギ:ケルセチン
 ブルーベリー、赤紫蘇、紫キャベツ。ナス等:アントシアニン
 大豆製品:イソフラボン
 緑茶、紅茶:カテキン類
 蕎麦:ルチン
 コーヒー:クロロゲン酸
 ポリフェノール類を多く含む食品は多いので、そちらから摂取するのが合理的。
 わざわざ発酵黒ニンニクを買うまでもないと思うが・・・・

 食酢が高血圧、高血糖、高コレステロール等、生活習慣病に対して有効な事は判っている。
 生活習慣病に及ぼす食酢の効果
 関与する物質は酢酸であり、食酢であればその種類に関係なく、黒酢信仰はあまり意味が無いとしている。
 ただし、生活習慣病に対する効果を期待するなら一日あたり15ml以上摂取する必要があるとしている。
 この事からも酢酸の供給源として期待できないことになる。
 スッポン&黒酢や黒ニンニク&黒酢の様な商品は、に過ぎないと思う。

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