JR西日本、芸備線の第1三篠川橋梁流出事故

 

 2018年7月5日から西日本を中心に発生している集中豪雨で、各地に甚大な人的物的な被害が発生している。
 交通網も大きな被災をしていて、鉄道も大きな被害が発生していて、特にJR西日本とJR九州の在来線に大きな被害が出ている。
 特に広島県内のJR各線は新幹線を除き、7月8日の段階で全滅状態となっている。
 その中でも芸備線は白木山駅~狩留家駅間の第1三篠川橋梁が流出という大きな被害が発生している。
 現場はここ 
 
 芸備線は芸備鉄道が1915年に東広島~志和口間で改良していて、第1三篠川橋梁はその際に敷設されている。
 流出した第1三篠川橋梁はこれ
 
 広島方(左側)の橋脚はコンクリート製に改築されているが、三次方(右側)は昔ながらの石積みの橋脚となっている。
 
 コンクリート製の橋脚は持ちこたえているが、石積みの橋脚が倒壊している。
 
 
 倒壊した橋脚の断面の画像を見ると、案の定、鉄筋などが一切入っていない。。
 
 これは昨年発生した、JR九州の久大線、花月川橋梁の橋脚倒壊と同じ構図である。
 JR九州、久大線の花月川橋梁流出事故
 JR各社のローカル線には、この様に現在の建築基準に合わない建造物が数多く残っていると思われる。

 同じく、今回の豪雨でJR四国の予讃線、本山~観音寺間の財田川橋梁(1913年製)の橋脚の傾斜という事故も起こっている。
 画像を見る限り、第1三篠川橋梁と同じ石積みの橋脚である。
 今回の大雨による鉄道施設の主な被害について  001243209.pdf

 大災害でその様な建造物が大きく被災し、被災後そのまま廃線という可能性も大きい。
 JR東日本の岩泉線の廃止も自然災害がきっかけだったし、高波による路盤流出で運休となっているJR北海道の日高線も廃止が取り沙汰されている。
 狩留家駅 – 広島駅間は「広島シティネットワーク」となっていて、第1三篠川橋梁は再建される可能性は高いが、路線によっては災害を理由に廃線となるケースもあり得る。
 なお、芸備線は下流の第2三篠川橋梁も、流出はしていないものの、線路が歪んでいるとのことである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA